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32 シェイラの傍聴

誤字報告ありがとうございます!

最近アクセスPV数、ユニーク数、ブクマが増えててびっくりです。

ありがとうございます!


今回シェイラ支点の意味はない!

 


 私は何気なく口にしただけでした。


 リュメル・カシューネ様からの許すことのできない謝罪に気まずいというのもありましたが、先程までいらしたご令嬢が突然いなくなっていたので当然の疑問だと思います。


「「「・・・」」」


 沈黙する殿方3人。


 ツヴァイ様はキョロキョロと困惑して辺りを見ます。リュメル・カシューネ様は怪訝な顔でツヴァイ様を、クレメル・カシューネ様は嫌悪の表情で左腕を見た。反応がバラバラです。


「・・・俺には、それらしきご令嬢を見た覚えがないです。カシューネ兄弟には見えていたのか?」


 何と!

 ツヴァイ様はご令嬢を認識されていなかったようです。


「ツヴァイには見えてなかっただと?最初からクレメルがエスコートしていただろ?えっと、何て名前だったか――――あれ、思い出せない!?おい、クレメル?」


「くそっ、やられた!当たり前のように紛れ込んでいたのか!」


 ツヴァイ様にだけ見えなかったご令嬢。

 普通ならば心霊現象を疑います。ホラーです。


 しかし、今回に限っては予備知識がございます!

 王太子妃殿下がおっしゃる通りならばツヴァイ様は《精霊の忌み子》です。

 私へ《妖精の祝福》を与えた妖精が、《精霊の忌み子》が私と一緒にいるのが不満で様子を見に現れるかもと聞いておりました。

 現に順調に関係者であるカシューネご兄弟が現れました。


 そして、精霊や妖精の影響を受けることのないツヴァイ様が見えなかったご令嬢・・・


「そのご令嬢とやらがシェイラ嬢に《妖精の祝福》を与えた妖精ですね」


 ツヴァイ様のお言葉に皆が頷きます。


「しかし、何処へ消えたんだ?」


 リュメル・カシューネ様が首を傾げてます。


「おい、カシューネ弟は見てなかったのか?腕にくっついていたのだろう?」


「・・・貴方に対して血が昇っていて気にもしてませんでしたよ。僕としたことが貴方に気を取られている隙に奴に接近されていたとは不覚」


「いや、最初からくっついていたんだろ。俺関係ないし。何か言い方が俺に執着されてるみたいで気色悪いな。一応伝えておくが俺の恋愛対象は女性だからな。シェイラ嬢一筋だ」


 ひぇっ!?

 ツヴァイ様が眩しいです。

 繋がれた手がギュッて!

 ドキドキしすぎて私を殺しにかかってますよ!!


「なっ!?僕だってノーマルです!シェイラが好きだって言ってるじゃないですか!大体、貴方がリュメル兄さんの邪魔をするから!」


「いや、お前は重度のブラコンだろ。カシューネ兄が俺をどう思っていてもお前に関係ないし」


 そうですね。

 私もブラコンだと思います。たぶん、言うほど私を好きではないかと。ただ過去の負い目というか、消化しきれなかった感情があるのでしょう。


 そして、話がドンドン逸れてゆきます。


「そうだな。クレメルはちょっとツヴァイを気にしすぎだ。ツヴァイのライバルは僕だ!いくら可愛い弟でもツヴァイのライバルの座は譲らないからな!クレメルは年齢的にもツヴァイの弟をライバルにしたらいい!」


「そんなっ!?兄さんはいつもツヴァイ、ツヴァイって!!僕がツヴァイ・マカダミックを倒しますから!!勿論奴の弟もです!」


「ぬっ、クレメル、貴様もツヴァイ争奪戦のライバルに名乗り上げるのか!王宮内兵舎所属隊員だけでもツヴァイの競争率は高いぞ!」


 ツヴァイ様の争奪戦!?何ですかそれ!

 そんなに競争率が高いのですか!?

 わかってはいましたがツヴァイ様がモテモテですね。

 しかも、どうやらツヴァイ様は男女ともに人気があるようです。流石です!


 むむぅ。私も争奪戦に名乗り上げるべきでしょうか・・・


「おい、止めろブラコンども。シェイラ嬢にまた誤解されるだろ!そして俺の弟を巻き込むなよ」


「遠慮はいらないぞ、ツヴァイ!俺とクレメルの2対1とは言わん。貴様の弟も呼んで2対2でやろう!」


「だから、俺の弟を巻き込むな!馬鹿だろお前ら!」


 ツヴァイ様がとっても面倒そうに顔を顰めてます。


「何なら兄上達を含めマカダミック4兄弟VSカシューネ4兄弟でもいいぞ!丁度男兄弟の数も一緒だからな!」


「何で人の家族構成知ってるんだよ気色悪いな」


 ふんふん!

 ツヴァイ様は4人もご兄弟がいらっしゃるのですね!

 あら?確か妹君もいらしたはずです。

 たくさんのご兄弟賑やかそうです。私はひとりっ子だから羨ましいですね。


「ふんっ、そんなものはアーモンディ隊長が将来貴様の兄弟が入隊するのを楽しみに言い触らしていたから知らぬ者などいない!」


 情報源はアーモンディ様と言う方ですか。

 きっとその方もツヴァイ様争奪戦にいらっしゃるはず。

 仲良くできる気がしますね。


「犯人はアイツか!?だが、そっちも一番上は嫡男だから普段武器を持たないだろ。競うなど何を馬鹿なことを」


「フッフッフッ、我が家の長兄の趣味は魔物狩りだ!そして知っているぞツヴァイ。マカダミック伯爵家の嫡男は軍務の事務次官補佐として第2に顔を出すからな。事務方で実戦に出ることはないが、お前の肩慣らしの相手ができる程の腕らしいじゃないか!」


 ツヴァイ様のお兄様も事務次官補佐とは優秀なのですね!

 事務次官は軍務大臣の下で事務方担当の長です。その事務次官の補佐ということは次期事務次官候補です。出世頭ですね。


「・・・嫡男の趣味魔物狩りって、お前の長兄馬鹿なのか?」


「ふんっ、我が家は競い合い勝つことを大事にしているから良いのだ。だからツヴァイ・マカダミック!貴様は僕が倒す!!」


 ビシリとツヴァイ様を指差すリュメル・カシューネ様。

 人を指差すのはよろしくありません。


「リュメル兄さんが言うなら仕方ない。マカダミック兄弟VSカシューネ兄弟で勝負です!」


 クレメル・カシューネ様は胸を張って偉そうです。


 私はどうしたら良いのでしょう?


 ツヴァイ様はうんざりした表情です。話を聞かないカシューネご兄弟に困ってます。

 何とかできないでしょうか。


『ねぇ、勝負できたら褒めてくれる?』


 ふと、可愛らしい鈴が鳴るような子供の声が聞こえました。


「え?」


『キョーダイ?の勝負できたら褒めてくれる?』


 声が聞こえたのはティーテーブルの上。

 向かいに座るツヴァイ様との間に置かれた茶器やケーキスタンドが見えます。


 因みにまだツヴァイ様と掌は重なったままです。温かい手にきゅんきゅんです。


 丁度ツヴァイ様が美味しそうに食べられていたアップルパイの残りがのった皿の端に、掌サイズの小さな男の子が腰掛けてアップルパイの欠片を食べていました。


 うわぁ。

 これって例の妖精ですよね。


 言いたいことは色々ありますが、とりあえず・・・



「むぅ。それはツヴァイ様のアップルパイですよ!」



 もぐもぐされて可愛らしいツヴァイ様を見られる回数が減るではないですか!





たぶん皆真面目にふざけてます。

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