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幕間 イノンド王国妖精の書

ツヴァイやシェイラが知らないため、今まで欠片も出てこなかった妖精と『精霊の愛し子』について。

ギャグはない!

 


 《イノンド王国妖精の書》


 イノンド王国内に住まう妖精、精霊について纏められた書物である。


 著者 ギギナ・オーヴェロン





 600年程前のイノンド王国建国初期。

 彼は北の辺境ホーエンハイム侯爵家出身の医師であった。

 当時の彼の名はフィリップス=ギギナ・アウレオルス・テオフラストゥス・ボンバストゥス・フォン・ホーエンハイムという。


 医学を究める内に様々な分野に見識を広げ始めた彼は、化学者や錬金術師、神秘思想家、悪霊を使役できたことから悪しき魔女であったという伝承もあるが定かではない。


 後に悪しき魔女とは似て非なる魔術師の地位を確立。


 魔術師は精霊や妖精を使役又は力を借りるが、それは人々の生活を豊かにし、妖精が巻き起こす人間絡みの騒動や事件を抑えるためである。

 よって、魔女のように人間の魂や身体を贄とした呪術や理から外れた死者の蘇生等の禁術を行うことはない。


 現在では魔術師の始祖ギギナ・オーヴェロンとして知らぬ者はいない存在となっている。


 魔術師の地位を確立後、イノンド王国の国中を放浪しながら精霊や妖精の研究に明け暮れ、俗世から離れた彼はある日忽然と消息を絶った。


 それ以降、記録に残る彼と同じ姿をしたままのギギナ・オーヴェロンと名を改めた者が、王家の代替わりや国の危機にふらりと挨拶に現れるようになった。


 何年、何十年、何百年後であろうと同じ姿で。


 妖精や精霊に近くなり過ぎた彼は人から外れ、時間の感覚が人間界とは異なる妖精界に住みつくようになり、用があれば妖精の道を通って現れるのだと伝えられている。


 消息を絶った後、初めて人間界へ現れた時に王家に納められたのが《イノンド王国妖精の書》である。






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 精霊とは、元素に住まう目に見えない自然の生き物である。


 有名なのが、自然界の成り立ちにおいて欠かせない水、火、風、地を司る精霊。四大精霊(elementals)である。


 四大精霊が司る属性により名称が下記になる。

 水を司るオンディーン(undine)

 火を司るサラマンデラ(salamandra)

 風を司るシルヴァ(sylva)

 地を司るグノーム(Gnome)


 精霊は光の媒質であるエーテルを通して力を自然界に生み出す。


 土地や現象以外に空気中の元素に存在する精霊は好き嫌い又は合う合わないで生息地を変える。

 その為、精霊が好む土地や現象を起こす場所、気候などで豊かな地域が生まれる。

 故に豊かな地域には大勢の精霊が居つく。


『精霊の愛し子』と呼ばれる存在は、精霊の好む容姿である又は魔力を有しており、周囲に精霊が集まりやすい者のことをさす。



 妖精とは、本来魂を持たない精霊が思考を持つことにより魂を得て、人の世と関わる為に姿形をとったものが大半である。

 精霊の多く集まる場所で人の強い思念に影響を受け、ごく稀に湧出する。


 妖精は思念を持ち人の世と関わるため、己を見ることのできる存在や『精霊の愛し子』の願いを叶えようと勝手に力を貸したり、はた迷惑な悪戯をする。



 ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽

 《イノンド王国妖精の書》記載より一部抜粋。







 現在のイノンド王国にはギギナ・オーヴェロンの教えにより魔術師が増えたが、精霊や妖精を視認できる者は少数のため、その数は50人にも満たない。


 イノンド王国の当代一の魔術師である軍務大臣ブラットフォード公爵や妹のフェレイラ王太子妃殿下は類い稀なる妖精と人間のハーフであった。

 フェレイラ王太子妃殿下は、まだ年若いとはいえイノンド王国内で十指に入る優秀な魔術師である。

 そして、魔術師は妖精達が引き起こす事件を解決したり、彼の者達の力を借りて魔術を行使し国の発展に貢献している。


 故にツヴァイはシェイラの件が妖精(アレ)等に関わるものならば、ヴォルレムディル王太子殿下を通しそこらの魔術師より力の強いブラットフォード公爵かフェレイラ王太子妃殿下に繋ぎを作れないかと思ったのである。




幕間は主人公らの預かり知らぬ裏舞台。

本編ではツヴァイの簡単な解釈しか出ません。


因みに閑話は読まなくても本編に支障のない小話と分けてるつもりです。

本編メイン

幕間サブ

閑話おまけ的な感じ。

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