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ぷろろーぐ

 ある冬の夜、街に激しい衝突音とブレーキ音が響き渡った。

 交差点を直進するバスに、赤信号を無視して直進してきた大型トラックがぶつかったのだ。

 このトラックの運転手は十分な休みももらえずに日々運転を続け、気力も体力も限界だった。

 バスの乗客2人が死亡、10人が重軽傷を負った大事故。トラックを運転していた男性は軽傷で済んだ。この先も運転手は十字架を背負って生きていかなくてはならない。

 亡くなったのは地元の高校に通う普通の学生の2人組。塾の帰りという日常に起こった突然の不幸である。



 人は死後、新たな命に生まれ変わるための輪に入る。

 しかし例外がある。特別な使命を与えられるために神に招かれた場合だ。

 天に召された2人の魂は輪廻の輪に入ることなく神の間へと導かれた。

 神の間は白い地面と青い空がどこまでも続くただ広いだけの空間である。

 その空間の一部にこの景色に似合わないものがある。畳の上に置かれた日本の家具、箪笥たんすにこたつにテレビ台に置かれたブラウン管テレビだ。

 箪笥たんすを背に畳の上に置かれたこたつに入った白い服を着た12歳前後の少年姿の神が笑顔で高校生たちを迎えた。


「ようこそいらっしゃい。君たちは運が悪かったねー。でも安心していいよ。生まれ変わったらすごく運がいいって言われるから」


 そんなことを言われても普通の高校生は意味が分からない。

 2人少年たちは自分の体を触って確かめたり、軽く飛び跳ねたりしている。

 自分たちがバスに乗っていて突然衝撃に襲われたまでの記憶があり、今が異常だという認識はある。


「これって何かの夢?」

 いきなり連れてこられた少年にとって、当然の疑問である。

「夢じゃないよ。君たちはバスの中で死んだんだよ。僕は魂をここに招いたんだ。やってもらいたいことがあってね。」

「え? 俺たち死ん……」

「あなたはもしかして神様ですか?」

 1人の少年は死んだことをようやく認識し、もう1人の少年は目の前の存在が神なのか気になって聞いた。

「そう、ぼくはここの神だよ。それもけっこう偉いほうの」

 

 神は力を込めた言葉を続ける。


【君たちにはある世界を救ってほしいんだ】


 別の世界を救うために神が人を送る。

 よくある話である。

 今回はもちろん強制で、拒否権はない。


「君たちには2つの強力な能力をあげるから、それでがんばってもらうことになるよ。」

 神は手をかざして少年たちの魂にスキル能力を付与する。スキル能力とは異世界で使える便利能力だ。

 神様がこうやって与えるのはよくあるチートスキル。


「あれ? なんかあまってるからもう1つずつプレゼント。多くなることはたまにあるけど運がすごくいいねー」

 この世界から異世界に複数の人を送る場合は人数分より多くスキルが用意されることがある。

 今回もそうなんだと深く考えずに少年たちに振り分ける。

「じゃ、生まれ変わってがんばってねー。と言ってもこっちの世界のことはわすれちゃうんだけどね」

 そう話すと少年たちの足元に異世界への穴を開く。


「うわっ!!」

「はあーー!?」


 少年たちはこうして落ちるようにしてこの世界から次の世界へ旅立ち、新たな命に生まれ変わる。




 これから始まるのはこの少年たちが生まれ変わり、世界を救う。

 そんな話ではない……


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