喫茶店 brain の日常
こんばんは。
KURAです。
なんも書くことないんで。
探偵事務所 辛党とは違い、喫茶店 brainは今日は忙しい。
何故か、記事にのって評判の店になったのだ。
まぁ、こういうことはこの店では 度々ある。
「すみません! 今日ケーキの注文入ってました!」
青ざめた店員が店長に頭を下げる。
「大丈夫。シーから聞いてるから。ま、ちょっと給料減らすよ。頑張って戻しなよ」
「は、はい!」
忙しくてもちゃんと注文をこなす店員と、それについていき品を作っていく涙頭達コック。
そして何故かケーキの注文を知っていたシー。
ここの給料は増減する。
努力をしたら増えていくし、失敗すると減らされる。
まぁ、これも二年目からだ。
一年目はほぼ一定の額しか貰えない。
一応ボーナスもあるが、覚えてないと忙しすぎてきついのだ。
なので実質一年目は失敗でのマイナスが無くなるだけだ。
給料を決めるのは店長である涙頭とシー。
彼等は普通わからない努力も見抜くため店員から苦情は出ていない。
「店長! お客様が!」
「んー、今いく」
涙頭は忙しなく動いている従業員達を避けていく。
そしてあるテーブルに座った。
「ふむ、いきなり店員が座るのは少々無礼ではないか?」
「あはは、ごめんね。アレでしょ?」
「まぁ……そうなのだが……」
「あと、君、まだ何も頼んでないでしょ? ここのテーブルのオーダーは聞いてない。だからまだ客じゃない」
「……そうだな。さて、依頼だが」
「待って。ここじゃ耳がある。ここでは受付を教えるだけさ。明日、この店の裏口に来てね。そうしないと僕は受け付けない」
「……わかった。さて、ここの店のおすすめはなにかな? 店長に聞けば正確であろう」
「何がお好みかな?」
「私は……よく似合わんと言われるが甘党でな」
「あは、確かに。じゃあこのパフェとかはいかがかな?」
「うむ、流石だ」
「それじゃあね。また明日」
そしてまたオーダーを聞きに戻り、品を作り始めた。
この日ずっと忙しさは終わることのなかったようだ。
そして翌日喫茶店 brain店休日。
涙頭は裏口で椅子に座っていた。
雨の音だけが響いていた。
「やあ、待ってたよ」
「名乗るのが遅れたな。九龍 豪介という」
九龍豪介と名乗った男はオールバックの白髪で、老けながらも威圧感を感じさせる男であった。
「そう。僕は脳裏。行こうか」
店に入ると唐突にボタンが押された。
そして下がる床。
床自体がエレベーターのように動いていく。
数分たっただろうか。
どうやらついたようだ。
そこは無。
または白としかいいようがないまっさらの部屋であった。
その部屋にポツーンとたたずむ椅子とテーブル。
そして脳裏はいつの間にか着席していた。
「さぁ、座りなよ。話はそれからだ」
「失礼する」
「さぁて、仕事だろ? なんでもするよ。金次第でね」
「地獄の沙汰も金次第とはよく言ったものだな。私は、復讐がしたいのだ。私はこのような威圧感のある容姿をしているが、ただの老いぼれ。一般人なのだ。無力、最近になり痛感した、奴等によって」
「へぇ~? 奴等ってことは組織かな? 組織だと~ちょっと割高になるよ」
「それでもよい! 私は、私は! 孫の人生をめちゃくちゃにした奴等が許せんのだ!」
「組織の名は?」
「暴力団、六山会。あいつらのせいで……私の孫は……!」
「六山会? 聞いたことないな……。ちょっと待ってね。 『もしもし』」
『――――――――』
『六山会って知ってる?』
『――――――――――』
『……んー、依頼』
『―――――? ――――――――――』
『まじか。良いの?』
『―――――――――――』
『オッケー。じゃあね』
『―――――――』
「オーケー、依頼内容は良いよ。次は報酬額だ。いくらまで出せる」
「六千」
「……万だよね」
「あぁ、私の貯金だ」
「いいねぇ。承った。殺しの方法は? 注文とかある?」
「とにかく陰湿に。残虐に」
「オッケ~。陰湿になら僕の専門だ」
「よろしく頼みます」
「わかったよ。シー、送ってあげて」
「わかりました、主人よ」
「重ね重ね、よろしくお願いいたします」
九龍は頭を床に付けそうなほど下げるとシーに案内され消えていった。
そして、一人真っ白の部屋でお茶を飲む。
「なかなか、面白くなりそうだ」
いつのまにやらまっさらの部屋は壁までもが彼岸花の深紅で満たされていた。
眠い。
最近リアルでそればっか言ってる気がします。
それでは。