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幻界創世記  作者: 冬泉
第一章「出会いは唐突に」
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SCENE-03◆「心を決めて」

逡巡する翔。でも、心を決めて葵に謝りに・・・

■UNO学院/学部棟/屋上


「ったーっ! まいったぜ!」


 学部棟の屋上。燦燦と日光が降り注ぎ、遠くの山からの涼風が吹いている。

 翔と彰は、昼食のパンと三角パックのコーヒー牛乳を持って屋上に来ていた。いつもは教室で昼を食べているのだが、今日は先程のことを騒がしい教室で話すのに気が引けたので、人気のないこんな場所を選んだのだ。


「致命的な大ポカしちまったなぁ・・・あぁ、もう心証最悪ってとこだぜ。それにしても、神和姫先輩、文芸部辞めてたなんてなぁ・・・。知らなかったぜ」

「・・・最近のことじゃないのかな」

「へ?」

「いや・・・さきほど高国先輩が言っていた、神和姫先輩が文芸部を退部したっていう話だよ。彰が図書を運ぶのを手伝ったのだ最近だろ? その時は、まだ文芸部に在籍していたんじゃないかな」

「そりゃ、そうだよな。確かに、文芸部を辞めてたら、そんなことなんかしないよな」

「そう思う。だから、辞めたのは最近ってことだよ」

「なーる!」

「つまり・・・それが事実ってことなら、僕たちが話し掛けたのは最悪のタイミングだったってことだね。知らなかったとはいえ、そんな言い訳は通りそうもないね」

「はぁ、まじったなぁ・・・完全に嫌われたぜ、ありゃ」


 物言いたげな表情で、翔は大袈裟に嘆く友人を見た。


「・・・ふ〜ん。彰は結局、そこが本音なのかい?」

「え? あ? い、いや〜」


 恐る恐る、友人の顔を見る彰。にっこり笑顔を浮かべているが、目が笑っていない翔。

 顔マジな友人が怒るとどんなに恐ろしいか熟知している彰は、みるみる青くなった。背中に汗がつーっと伝わる。


「ま、いいけどね」


 蛇に睨まれた蛙状態がしばらく続いた後、ようやく放免された彰は大きく息を吐いた。気を取り直すように、努めて明るく言う。


「しっかしなぁ。知らなかったといっても、まじぃことをしちまったから。やっぱどっかで謝らないと。」

「そうだね。でも、この状況じゃ、話しかけることも難しいな」

「そーだな」

「そうだよ」

「なんとか、話しかけるチャンスを見つけないとな」

「どうやって?」

「ほら、こう、ぱぱーっとだな・・・」

「ぱぱっーと、なんだい?」

「あ〜〜〜わからんよ、そんなもん!」


 頭を使うのが苦手な彰は、ものの十数秒で考えるのを止めてしまう。いつものことだが、こうなると解決策を考えるのは、翔一人の仕事となる。これみよがせに大きな溜息を付くと、翔は立ち上がった。


「?」

「昼休み、終わるよ」

「もうそんな時間か。かーっ、頭を使うと時間が過ぎるのも早いぜ!」


 翔は目一杯脱力した。それを見た彰は、事も在ろうに自分の事を棚に上げて放言する。


「おいおい、翔! お前だけが頼りなんだからな。しっかり解決策を考えてくれよな。あ、力仕事ならいっくらでもやるからよ、いつでも声を掛けてくれよな!」


 明るく無責任に笑って言う彰に、ちょっとこめかみに青筋を立てる翔だった。



 三回目です。状況は膠着状態で、何ら好転していませんね(笑)。彰は全く頼りにならないし、翔も大変です。おい、彰。お前そのまんまだと翔に愛想尽かされるぞ! って、全然堪えている風じゃないけどね。まぁ、タフなこと(笑)。

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