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幻界創世記  作者: 冬泉
第三章「開かれた扉」
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STAGE03◆「開かれた、扉」-SCENE#2


葵の観たものは、はたして何だったのか・・・

■葵自宅/自室→UNO学院/学部棟/高等部二年/2-A教室


“夢・・・?”


 ずきずきする頭を抱えながら、葵は目覚めた。躰が酷く重く感じる。

 どうしたのだろう? 何があったのだろう?

 霧が掛かった様に、記憶が薄ぼんやりとしている。

 見回してみると、見慣れた自分の部屋だった。03:31──デジタル時計が、蒼く冷たい光を放っている。


「誰かに、呼ばれた・・・?」


 そんなはずはない。一体、誰に呼ばれたというのだろう。

 深く思い出そうとすると、頭痛が一層酷くなる。

 もう少し眠れば、この酷い頭痛も多少は良くなるかも知れない。そう思って、葵は再び横になった。


               ★  ★  ★


「葵、酷い顔ね。どうしたの? 風邪・・・じゃないようだけど」


 痛む頭を抱えて漸く学院に辿り着くと、葵の顔を見た亜里沙に開口一番心配そうに言われた。 鞄を自分の机の脇に提げると、葵はこめかみを指で少し押してみる。朝起きてみても、頭痛は収まっていなかった。


「そんなに、酷い顔色?」

「うん。今朝、鏡見た?」

「えぇ。酷いとは思っていたけれど・・・。今朝から頭痛が取れないの」

「薬飲んだ?」

「ん・・・」


 肯定するのに、首を振るのも痛そうだった。


「家で休んでいれよかったのに」

「・・・今日、二人との約束があるから・・・」

「あなたねぇ・・・」


 義理堅いのも程があるわ、と呆れた口調で言うと、亜里沙は親友の顔をのぞき込んだ。

 頭痛で真っ青な顔色をしているのに、なんて無茶なことを言ってるのだろう。


「約束は、何時?」

「・・・放課後」

「まだ一日、目一杯あるわね。ねぇ、葵。辛い様だったら、保健室で休んだら?」

「・・・大丈夫・・・」


 大丈夫な訳も無いのだろうが、葵には無理強いしても駄目なことを、亜里沙はよくわかっていた。


「じゃ、どうしても辛くなったら言うのよ」

「・・・その時は、きちんと言うわ」


 丁度その時予鈴が鳴った。自分の席に戻った亜里沙は、このまま葵一人を放課後行かせる訳にはいかないと思った。


☆☆ SCENE#3に続く ☆☆

 前回(STAGE#1)チラリと出た“異世界”ですが、まだ不明な点は多いですが、今後も少しづつその片鱗が見えて来ようかと。ご期待下さい。

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