表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幻界創世記  作者: 冬泉
第二章「仲間と呼ばれて」
14/50

STAGE02◆「仲間、と呼ばれて」-SCENE#3


悩む翔に思わぬ救いの手が・・・

■UNO学院/学部棟/エントランス・ホール


「何が悪かったんだろう?」


 思わず独り言を零していた。それが、いかに愚問であることかは、翔も重々判っていた。

 何が悪かったんじゃなくて、どうしてあんなことをよりにもよって葵に口走ったのか、という方が問題なのだ。

 けれども、その時の自分の心境を思い起こそうにも、もやもやしていてはっきり覚えていない。おまけに、今は葵に三行半を突きつけられてしまい、そのショックで旨く頭が回っていなかった。


「どうしたらいいんだろう」


 これも愚問だろう。さっさと、葵に謝りに行けばいいのだから。

 だが、何をどう葵に謝ったら良いのか、混乱してる今の翔には判らなかった。


「あれ?」


 いつの間にエントランス・ホールにまで降りてきたのだろう? 翔は、ぼんやりとホールに佇んでいた。

 折しも下校する生徒たちがちらほら、そんな翔を訝しそうに見ながら通り過ぎていく。生徒数が少ないところを見ると、下校締め切り時間も近いのだろう。

 だが、翔はまだ家に帰る気分ではなかった。


「セントラル・スクェアにでも、行こうかな・・・」


 何気なくそう言ってみて、翔は胸に痛みを感じた。

 駅前のショッピング・アミューズメントスペースである“セントラル・スクェア”には、一人で行ったことがない。いつも、章とつるんで遊びに行っているところ──それが一人で行こうかと思うだけで、こんなにもやるせない気持ちになるのだろうか。


「でも・・・こんな状態で、章と顔も会わせられないし・・・」


 スパイラルを描いて下降する気持ちを持て余して、翔は今日何度目かの溜息をついた。そんな時──朗らかな声が背後から掛かった。


「少年、溜息をついてると幸せが逃げるよ?」


☆☆ SCENE#4に続く ☆☆

 非常に短くて恐縮ですが、この回は中継ぎなのでご容赦を。その代わり、明日には次の更新をアップ致します。

 この回は、ショック(自業自得ですが)を受けた翔が、内在的な思考で堂々巡りをしています。知性に感情が追いついていない、典型的な例と言えます。この状態のままで放置すると、自他共に傷が深くなっていくので、手早く、断固として行動する必要があります。なにはともあれ──後悔だけはしないようにね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ