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そして全てが消える時

ふと思って書きました、後悔はしていない。


温かい目で見てやってくださいm(__)m


「 うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!? 」


様々な種族が共存している世界『コキュートス』。


現存する種族は、人間族ヒューマン小人族ドワーフ精霊族フェアリー獣人族ワービースト森人族エルフ竜人族ドラゴニュートの六種族。


まぁ、他種族間で血が混ざる事も少なくない事から混血種ハーフも居るがそこは割愛する。一応差別はされていない。


「 ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!? 」


大陸は2つに分かたれているのだが、そのどちらの大陸にもこの六種族は必ず存在する。


面倒だからざっくり言うと、一大陸に一種族の国が2つほどあり、数で言えば人間族>獣人族>小人族>竜人族>精霊族=森人族という具合だ。


これだと「人間族が有利じゃね?」なんて馬鹿な考えをする奴もいると思うから言っておくが、「種族間の能力の違い」を考えろって話だ。


「 た、たすけてぇぇぇぇぇぇぇええ!?!? 」


「数が全てを左右する」なんて言葉があったかどうかは知らないがこの際あったことにして、一概に否定する事も出来ない。


しかし個々の力量と種族特性、特徴を鑑みれば平々凡々な人間族であれば、数なんて誤差の内でしかない。


実を言えば、人間族でもやはり強い奴は一定数居るには居るが、五十にも満たない数でしかなかった。


「 じにだぐなぃぃぃぃぃぃぃいいい!!!! 」


一種族全体でみれば、そんな数は何億何万分の一程で、少数派なのだ。


勿論事を起こそうと思えば起こせるだろう。


しかし、先に言った通り「種族間の能力の違い」があるわけだ。


「 この、化物がぁぁぁぁぁあっ!?!?!? 」


小人族であれば、その器用さを活かし、物作りの一環として強力な武器を作る事も容易いだろう。


獣人族であれば、個々の戦闘能力が高くそれを活かし、戦争を仕掛けるのも容易いだろう。


竜人族であれば、身の硬さと俊敏性を活かし、守りながら敵を攻めるのも容易いだろう。


「 やめろぉおおおおおおおお!?!?!? 」



ーーーーーードゴォオオオオオオオン



精霊族と森人族であれば、その高い魔力特性を活かし、広範囲殲滅魔法を戦争に用いるのも容易いだろう。


「精霊族と森人族の特性は少々酷似してはいるが、一緒にしてはいけない」と昔誰かが言っていた様な気がするが、「違いはあれど大体同じ」だと“俺”は考えている。


ふん、てかさっきから外野が五月蝿いのなんのって。まぁ、仕方のない事だけどさ。


起こりえない事が起こっているんだもんな。


そりゃパニックにだってなるってもんだ。


でもさぁ、考えてもみてくれよ。


この世界にはもうこれ以上進展がないんだ。


さっき言った「種族間の〜」があったせいで文化も文明も何もかもの進展がないんだよ。


この均衡が保たれて約一千年と少し。


何も無い、何も起きない、何も起こさない。


何処かの種族が他世界から何かを召喚する事も無いし、他世界からの転生者が産まれてくることも無いし、天変地異が起こる事も無いし、魔王が生まれる事も無いし、天罰が下される事も無い。


本当に全部無い無い尽くしなんだよ!!


どの種族もこの均衡を壊す事を恐れているんだ。


一種族が均衡を壊せば、事を起こしたのは貴様の種族なのだから、他の五種族が貴様の種族を敵と見なしたとしても文句は無いだろう?と言われる事を恐れ、どの種族も動かない。


だからさ、ここはこの世界ただ1人の異端である“俺”がやらなきゃいけない事なのかなって思ったんだよ。


うん、なんかもう罪悪感が凄いんだよね。


ああ、“俺”が今まで傍観をきめてた事がだよ?


傍観って言っても“俺”があいつらに近づくなんて無いから、魔法を使って観ていただけだけどさ。


“俺”の存在は普通は無いものだからな。


さっき言った六種族と混血種。この中のどれにも“俺”と言う存在は該当しない。


だからこそ、異端なんだけどな。


因みに“俺”の種族は知らないよ。


“俺”でも分かんないんだ。


気付いたら居たみたいな感じだ。


人間族の様な姿はしているが、能力が段違いでこれは絶対人間族じゃないって言い切れる。


しかも、人間族に限らず新しい命ってのは母親の胎内から生まれるものだろう?


“俺”なんて親すら居ないからな。


空気中から生まれた感じか?


意味わかんねぇな。


あ、さっきから静かだなって思ったろ?


だって全て終わらせたからな。


全ての罪は“俺”だけに。


たとえ次の人生が辛いものでも、その次の人生が続くならそれでいい。


もうこれで“俺”のやるべき事は終わった筈だ。


あとは“俺”自身が消えれば、この世界には生存者がいなくなる。


そうしたらまた、新しい事が始まる筈だよな?


そうだったら嬉しいな。


そうであれば“俺”は満足だ。


あぁ、目の前が真っ暗になって意識が朦朧としてきたな。


やっぱりもう、1人は嫌だよ。


耐えられないんだ。


本来なら耐えられる筈が無いんだ。


でも“俺”はやっぱり異端だったから。


耐えたんだ。耐えようとしたんだ。


でもやっぱりそれは無理。


これ以上は無理。


“俺”には今のままで他種族と仲良くなんて出来る気がしなかったんだ。


否定されるのが怖かったんだ。


今まで誰も“俺”の存在を知らなかったんだから。


でももうこれで解放されるんだよな?


今の“俺”としての記憶は無くても、沢山いる種族の1人になっていっぱいいっぱいみんなと遊んでみたい。


そう出来たらいいな。


いつか、幸せになれればいいな。




そう出来ればーーーーーーーー






























ーーーーーーーー何も要らないのに。












“彼”の種族は《勇者》であり《魔王》だった。

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