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電子レンジ

もうすぐ、新しい日常が待っている。


だか、その前にやることがあった。


それは、電子レンジの旅立ちー。


自分の家はアパートの4階だ。

もう二度と動いてはくれない君を抱いてあの遠いゴミステーションという名の楽園へ向かわなければならない。


自分は昨日の体育祭で負った傷と戦いながら電子レンジを抱きしめ階段を一つ降りた。



自分「考えてみれば、電子レンジ抱いて階段降りるとか中々の貴重な体験よねww」


電子レンジ「…………」



いや、君に抱かれるなんて夢にも思わなかったと言った方がいい。


そう、あの時はまだボタンを押すだけで一杯一杯だった。


手を繋げなくてもいい、しゃべれなくてもいい。

ただ、ごはんが温まればそれでよかった。


なのに…


君は世界を広げてくれた。

君がいなければきっと私の世界はもっと不便で冷たいものだった。


自分は君を知ってしまった。


君がいなければ自分はどう生きていけばいいのか。


いや君がいなくても生きていける。

ただ、君がいなくなった自分は君の残像を頭に描きながら冷たいごはんを口にしなければならなかった。



もうすぐゴミステーション(楽園)に着いてしまう。


自分の頭の中ではなぜか、夏祭りの歌がBGMのようにずっと流れていた。


自分「うわ~ホコリくさっ」


自分は電子レンジに語りかける内にとうとうゴミステーション(楽園)に着いてしまった。


電子レンジ「…………」


自分「よいしょ~あぁ重っ。」


電子レンジ「…………」


自分「うぅわっきたねぇ」


電子レンジ「…………」


自分「……………」


自分は電子レンジを一蹴りすると走った。

君は何も語ってくれない。

自分をそんなに憎んでいたのか。


それを知るのが怖いのか自分は一心不乱に走った。ドンキホーテの方へ。


ドンキホーテに着けばまた新しい、電子レンジが待っている。


自分は涙のかわりにお腹の鳴る音を空中に流しながら走った。


これが別れというものか。


忘れろ。

忘れなくてはいけない。


もうすぐ、新しい日常が待っている。


だが、その前にやることがあった。


それは、別れの旅立ちー。

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