コン魔王の城 第十話「旅へ」(城編、最終話)
「コン魔王様聞いてー、この間ゴボウがさー」
「まぁそう言ってやるな」
トリトリの笑い話に付き合うコン魔王は、中々楽しそうでもある。
「コン魔王様、たまには模擬戦に参加してください」
「そのうちな」
カムイはいつだって、上手く戦えることを考えている。そのためにも、実力トップのコン魔王の指導が欲しい様子。
「オイラ、コン魔王様と、大食い対決したいッス」
「たまにはいいよのう」
ゴボウは何もないようで……結構、大食いだったり音痴だったり色々ある。その辺を描く日もくるだろう。
「コン魔王様! ゴボウがね! また壁に突っ込んだよ!」
「おい、トリトリ、あまり笑ってやるな」
「なんで?だって毎回壁に突っ込むじゃん」
「お前のせいでもあるだろ!」
「なんだよー? 立場は対等だよ?」
「ほう? ならお前は戦闘に立てるのか?」
トリトリはいつもふざけながら笑っている。それに関してカムイも怒りが頂点に達した模様。
とはいえ、流石にこれはカムイでなくても怒るし、トリトリが悪い。
「そこまでじゃ、幹部に上も下もない、あるのは…ワシが上にいる事だけ」
「……そうですね」
「カムイさん、ごめんねー!」
コン魔王はいつも諌め役。今回もちゃんとわかっている。
「だからこそ、トリトリもゴボウを想ってあげないとダメじゃぞ」
「はい……ごめんねゴボウー!」
「皆で協力して城を守るのじゃ!」
──数年後──
「息子よ、立派に城を守ったな」
「父上! おかえりなさい!」
帰ってきたポンポコ大魔王を出迎えるコン魔王
「お前に次の試練をやる、準備しなさい」
「試練? なんの準備ですか?」
「次は人間の世界を見てきなさい。城は私が守ろう」
「ワシ一人でですか?」
「仲間を二人まで連れて行っていい」
次なる舞台は人間の世界。ポンポコ大魔王には何か考えがあるようだった。
「……では、ゴボウとカムイを……」
「え!? ヤダー! 僕も連れてって!」
「トリトリ……あまりわがままを言うな」
戦闘力から考えて、この二人になるのは必然。だがトリトリも寂しくなる、それはコン魔王も分かっていた。
「いやいいだろう……更にあと一人なら許せるが」
「……では、タヌ秘書を」
「いつものメンバーですね」
結局いつものメンバー五人が行くことになる。でもこの五人なら連携もバッチリのはず。
「変化の薬を渡す。これは人間からは人間に見える薬だ。これで人間の世界を見てきなさい」
「城から出たら、もし死んだら……」
「コン魔王、お前が死なぬ限り城と同じだ」
「わかりました、準備をして行ってきます」
コン魔王、城から出て旅へ。この旅がどういったものになるのか、怖くもあり、楽しみでもある。
「プーちゃんに会えるかもですね」
「余計なことを言うな」
愛する人との再会もあるかもしれないな。そんな旅が待っている。
狐の城からタヌキの城へ。狐は人間を見てくるぞ!




