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青の匂い、君の声  作者: Kai
波の音、君の声
5/7

4.帰り道

「「あ」」

ある土曜の夕方

買い物の帰り道、ばったり彼女に会った

「偶然だね。」

なんて彼女が笑うから

僕もつい釣られて笑ってしまった

「買い物がえり?」

「うん。汐見さんは?」

「んーーーー。歩いてた!」

彼女は今日もまた無邪気に笑った


「てか、名前で呼んでよー」

「なぎさん、、?」

「んーーー。許してあげる」

何かどう許されたのかわからないけど僕は許されたらしい

僕は困った。女の子を名前で呼ぶなんてはじめての経験だったから

「家はあっち側?」

彼女が指を刺した方向はまさに僕の家の方向だった

「そうだよ。」

「私もあっちで弟と約束してるから一緒に行こーよ」なんて言われてまた僕は困っしてしまった

これも僕に取って初めての経験だったから

そのあとは雑談しながら道を進んだのだが、突然、彼女が


「前歌ってくれた曲また聴きたい」


なんて言うから恥ずかしくて僕はつい早足になってしまった

隣を見たらそこに凪はいなくて

ふっと振り向くと、凪はガードレールに寄りかかって立ち止まっていた

日向は慌てて道を戻り「大丈夫?」と声をかけると

「もー大丈夫。ちょっと貧血っぽくて笑」

そう彼女は笑いながら言った

でも嘘だ。僕でもわかる

「ほんとに平気?顔色わるいよ」

「大丈夫だってばー」

彼女は流すような軽い返事をする

ーーーあんまり探るのもよくないか。

そう思ってこれ以上聞くことはやめにした。

その後しばらく雑談をしながら歩いていると僕たちは分かれ道に辿り着いた

「私こっちなんだけど日向くんは?」

彼女が指す方向は僕行く道と違った

僕は「あっち」と彼女とは違う方向を指を刺した

「じゃーここで。またね!」

そう明るく手を振る彼女に僕は軽く会釈をして歩き出した


彼女と別れてから家に着くまでの時間はいつもよりも随分静かに感じた

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