死
そんなことを考えていると交差点に着いた。
(俺はまるで交差点みたいだ。渡れと言われた道を渡ってとまれと言われたことを止める…なんてゴミみたいな人生なんだ)
俺はそんなことをふと目をつぶって考えていた。
目を開けると、俺の体は道路へと歩きだしていた。
(はぁ死ぬか)
俺はやけくそなのかあきらめているのか、俺は自分が思うままに道路をゆっくりと歩いた。
(別に死んでも変わらない。どうせ人間最後は死ぬんだから)
俺が赤の交差点を渡り始め、交差点の真ん中に行った時だった。
大きい音と早いスピードを出した、トラックが来た。
(あぁ引いてくれないかな)
俺がそんなことを思っていると、人生で初めて神が俺に味方をしたのがわかった。
トラックはブレーキを知らずこっちにスピードをあげ、こっちに来る。
(ようやく死ねる)
と俺は目をつぶった。
その瞬間、ドンという音と共に俺は意識を失った。
特に痛みも何も無かった。
(神はいるんだな)
俺はそのまま落ちていくのを感じた。
だが突然何かに落ちた衝撃を感じた。
「痛いな…」
俺は目を開けた。
そこには、なんというんだろう。
背が高く、スタイルの良いアニメ系美人が居た。
(転生したのか?)
俺が不思議そうな顔をしていたんだろう。
その美人は話しかけてきた。
「困惑しているのですか?」
「…はい」
(声かわいいぃぃ)
「ここはあなたたちの世界では【天国】と言われている場所です」
「天国…」
(やっぱいじめられてたから天国に来たのか!!)
「それで今から何に生まれ変わるかを決めます」
「あの…」
「はい?どうしました?」
「ここに留まるってことは…」
「無理です」
「あ…そうですよね…」
「あなたはあと五人後なので待っててください」
俺は場所を確認しようと、立ち上がった。
(あれ?痛くない)
俺は当然のように歩けた。
(やっぱりここ天国みたいだな)
俺は本当にあるということに驚いていた。
(でも一旦ここどんな場所か確認しないとな)
俺は周りを見渡した。
床は白で壁は特に無く、まるでオープンワールドゲームみたいだった。
そして大きなドアがあった。
(すげぇぇぇ)
俺は初めて見る広い場所に気分が上がった。
俺は子供のようにはしゃいでいたと思う。
それを見たさっきのお姉さんが低い声で言った。
「うるさいです。だから人間は…」
「…ごめんなさい」
「大丈夫ですよ!でも周りにはたくさんの死亡者がいらっしゃいますので迷惑にならないようにしてください」
「はい…」
「次の方どうぞ~」
そういって彼女は、大きなドアへ案内をしに行った。
俺は少し落ち込んでいたが、それでも何か楽しい気がした。
(てかこんな死んだ人たちがいるのか)
そこにはたくさんの人間が居た。
(日本人も日本人以外もたくさんいるんだな)
俺がそんなことを考えているとお姉さんが戻ってきた。
「まだ居たんですか…」
「あ…すみません」
「大丈夫ですよ」
(めっちゃ俺。嫌われてんじゃんか)
「あの…名前って」
「名前?」
「はい…」
「名前は【カルア・チオーネ】よ」
「あ…ありがとうございます」
「…」
カルアさんはすごく不思議そうな顔をしていた。
そんな話をしているとその時が来た。
「あ…次ですよ」
「ありがとうございます」
俺はカルアさんに言われる通り、大きなドアに入った。