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第七話 首都・ヴィゲルナーディストに到着

 メリサはぼんやりと辺りの自然豊かな景色を眺めながら、休憩していると、フレイとバレットが起きたことに気付いた。2人とも寝惚け眼を擦っているのが可愛かった。

「ふぁー」

 フレイは可愛くあくびをし、ゆっくり立ち上がると、フラフラとしながら、メリサの隣にしゃがみ込んで抱きついてきた。バレットも涎を垂らしながら、抱きついてくる。どうやら、まだ寝惚けているらしい。

「ふふっ、もうちょっと休憩しようか。フレイちゃんもバレットちゃんも眠そうだし」

「ううん、大丈夫。もうスッキリしたから」

 フレイはそう言いながら、自分の頬を両手で思いっきり叩いた。痛かったらしく、フレイはちょっぴり涙目になっていた。

「ガルルルルル!」 

 バレットはいつの間にか、背中に炎で形成した座席を設け、体を大きくしたうえで待機していた。

「フレイちゃんもバレットちゃんも眠くないのね? それじゃ、出発しようか」

 メリサはそう言うと、座席に腰掛けた。メリサの後に続き、フレイも座席にもたれかかった。

 バレットは首都・ヴィゲルナーディストを目指し、森林を駆け出した。


 ☆☆


 バレットはスピードを緩めることなく、木の隙間を器用にすり抜け、森林を駆け抜けていた。枝同士が複雑に絡み合い、網目状のような形を成しているのが、この森林の特徴だった。網目状の隙間から、ポカポカと暖かな陽射しが差し込んでいる。

「ねえ、お母様。この森林の木たちから出ている半透明のものは何?」

「多分、鼻ちょうちんだと思うわ。ポカポカと暖かいし、昼寝しているのかもね。いつもは目をパッチリと開いているし」

「へえー、木も鼻ちょうちんするんだ」

 フレイは感心したように、辺りを見回した。この場所から見える範囲では、ほとんどの木が鼻ちょうちんを膨らませていた。大きな一つ目を開いている木はわずかしかいなかった。

 バレットは鼻ちょうちんにぶつからないように、素早く避けながら、森林を走り続けた。バレットの身体能力の高さに、メリサは心の中で盛大に拍手を送った。

 それからしばらく経ち、森林が拓け、ようやく首都・ヴィゲルナーディストが見えてきた。純白の美しい橋を渡った先が、首都・ヴィゲルナーディストだった。

「ここまででいいよ、バレットちゃん。あとは歩いて橋を渡ろうか」

 メリサは炎の座席から降りた。フレイも続けて降りると、座席の形が崩れて元の炎に戻っていった。バレットの体も通常サイズに戻った。

 メリサはフレイとバレットと手を繋ぐと、純白の橋を歩いて渡り、首都・ヴィゲルナーディストに到着した。

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