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 ここは

「はっ」と目を開けるとそこには見覚えのない天井が見えた。


どこだ、ここは?


そう思いながら体を起こそうとする。


しかし思うように力が入らない。というか体の感覚に違和感を感じていた

ま、まさか


顔を動かそうとするがしっかりと動かない。そしてその横にあった赤ちゃんのように小さな手を見つける

そして、手を動かすと目の前にあった手が動く


も、もしかして生まれ変わったのか?

ゆ、夢なのか?


誰かを呼ぼうと声を出すが、思うようにしゃべれず

「あうあう」と赤ん坊の声が出るだけだった


扉が開いた音がする

右から何か声が聞こえ顔をのっそりと動かすと、そこにはきれいな女性がこちらを微笑みながら何かを言っていた。その顔は日本人ではない。西洋風の顔である


彼女は何か話しかけてくるが何を言っているのかわからない

とにかく俺に敵意が無いのは確かであろう



ところで自分の名前が思い出せない。

しかし、日本にいた時の記憶や常識などは覚えているのだが名前を思い出せないし、何か特定の人の顔を思い浮かべようとするけどなんだかはっきりせずモザイクがかかっているようだった。




それから数日たって今の状況を整理してみた。

・気付かないうちに自分は転生していた

・メイドがおりそれなりに裕福

・顔がワニの奴だったり角が生えたりしている奴がいるため地球ではない

・魔法が使える

・姉がいる

なにより魔法が使えた。念力なのか、なにかモノに集中すると体に何かが流れそのモノを動かすことができた。

魔法が使えるという事は地球ではない別の世界または星に転生したという事だ。



それから数か月、姉による読み聞かせなんかを聞いて「おはよう」だったり「お父さん、お母さん」や家族の名前を知ることができた。

父はイリノ・ジューデン 母はミア・ジューデン 姉はラオミ・ジューデン そして俺は アルト・ジューデンと言う名前だそうだ


そして1年。

前世の知識や知能がそのまま残っているからなのか直ぐに言葉をすべて理解できるようになった。

で、姉や周りの人が話していたのだが

「魔王様の跡継ぎだからね。魔王と言う肩書にふさわしい魔王になりなさい」

それを聞いて俺が初めて魔王の息子という事を知る。


マジか


と言う言葉しかでない

絶対この先面倒だし、勇者にやられるやつじゃんと思ったけど、お父さんで三代目という事だから案外大丈夫なのかな。

また、1年間こっそり色々と魔法を使ってみたおかげで念力は上達し、水球を手から生み出せるようになった。

また、歩けるようになったが、外には出してもらえなかった。

それと基本的?というより「おはよう」だったり日常でよく使う言葉をしゃべれるようになった。





そして2年


そして自分の足ではないのだが部屋から連れ出してもらうことが多くなった。

この城?の一番上から見下ろすと街の規模と言うものを感じられる。

一応俺の部屋にもあるのだが寝かされているのでよく見えないのが現状だ。



そして3歳になったとき、俺は自由行動を許された+メイド付き

メイドの名前はリン。優秀なメイドだ。


小さい体を一生懸命動かしながら歩くと、本がいっぱいある部屋に着いた。

俺がじーっと見ているのに気づきたのかリンが


「そこは書斎といって本がたくさんあるところです」


俺はそこに行きたいといって、書斎に入る

そして俺はいくつか自分の部屋に本を持って帰った。

冒険ものと魔法のことについて書かれた本、それと歴史書だ。




俺が本を読んでいるとき「アルト~遊びましょ~」

と猫撫で声で俺に言う

俺が本を読んでいるのを見ると


「せっかくだから外に出て遊びましょう」と、俺を外に連れ出した。


中庭にでるとそこには沢山の花が咲いてあった。

「どう?きれいでしょ。母上がここにある花全部育てているのですよ」


おぉ~と感動していると、あるものを発見してしまった。

じーっと近づいてみて見ると、それはトマトに近い。


かつてトマトは観賞用として育てられていたなんて話を聞いたことがある。

俺はトマトらしき実をブチっととって、口の中に放り込む。


それを見た姉は「うわあああああ!」と叫び声をあげ俺がトマトらしきものを口から出そうとしてくるがもう遅い。俺はそれを咀嚼し、みずみずしい食感と甘み、酸味を堪能した。


姉の叫び声を聞いたからなのか衛兵がやってくる。

「ラオミ様、どうしやしたか」

「は、早く母上を。観賞用の赤い実を食べてしまったの!」

「それは大変ですぜ。今すぐ母上のところに連れていきやしょう」


「どうしてあの実を食べたのかな?」


母さんが優しい笑みをして聞いてくる


「あの実、とてもおいしかったよ!母上も食べてみるべきだよ」


母さんが「はぁ」とため息をして言う


「あの実は観賞用であって食用ではありません。大体、赤い実はどう見ても毒がありそうで危険だわ」


俺はそんな実を中庭で育てるなと思うのだが


「それとラオミ、あなたはちゃんとアルトの様子を見ておかないと」


「はい、ごめんなさい」


俺はなんとしてもトマトの味を伝えたいので隠し持っていたトマトの実を一個母上にあげることにした。


「母さん」

「何?アルト」

「これがトマトの実です。一度でいいから食べてほしいです」


母さんがトマトを手に取って口に運ぶかと思いきや、それをゴミとして捨てようとしたのだ。

俺は慌てて念力を使い、母上の手を動かし、トマトを自分の手元に持ってくる。


「食料を捨てるなんてもったいないですよ」


すると、母さんと姉がポカーンとした顔でこちらを見ていた。


「アルト」

「なんだい?母さん」

「あなた、念力魔法が使えるのね」

「ま、まぁ」

「ラオミ、今すぐ父上を呼んで」


あれ、なんかやばいことになったぞ





2025215訂正

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