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おたくの夢はなんですか?  作者: 国語力を上げる
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私の夢はなんですか?

ガタンゴトンガタンゴトン…

私は朝の満員通学電車に揺られ高校へ向かっていた。私こと「井尻 雅」はF県のとある工業高校に通いはじめたばかりの高校1年生だ。昔から工業系の進路に進みたくて県の中で最も歴史のある工業高校目指して受験を頑張ってここへ入学した。入学式も終わり少しずつ慣れてきたが、未だに友達は出来ていない…。今日こそは新たな友達を作りたいなぁと思いながら車窓を立ちながら見ていた。

「まもなくY駅です。お乗り換えのお客様は…」

ここからはバスに乗り換えて学校へ向かう。座席に座り5月のあたたかな日差しを浴びてちょっと眠る。これが入学してからの私のルーティンだ。同じクラスの人も同じバスに乗っているが話しかける勇気は無いのでそのままスルーしてしまう。これも毎朝の事である。

「なんかワクワクする事したい」

そんな思いで小さい頃から様々なことにチャレンジしてきた。時には失敗し、時には成功し、時には叱られ、時には褒められ…、そんな日々をずっと過ごしてきた。しかし最近では心なしかそんな思いが消えているような気がする。思春期にはよくある事なのだろうがどうにも落ち着かない。居眠りをしながらそんな事を考えているのは私だけなのだろうか。

ようやく学校に着いた。今週はオリエンテーションという学校内の説明や新入生としての心得を学ぶことが中心の時間割が組まれている。人によっては退屈な時間なのかもしれないが私にとっては最高の時間割だ。それに今日は待ちに待った自己紹介がある!自分から話す事が苦手な私にとって友達ができる最大のチャンスだ!

「1時間目は自己紹介の時間です。出身中学校と趣味や好きな事とか物、"夢"、最後にクラスのみんなへ一言言ってくださいね!」

先生がまるで自己紹介が始まる前の話しにはテンプレートがあるかのように聞き慣れた事を言う。

「俺は部活がしたくてここに入りました!」

「私は公務員になりたくてこの学校を選びました!」

どんどん私の番が近づいてくる。若干緊張しながらも言う内容をまとめていく。趣味は競馬観戦、好きなものは鉄道…、本当に高校生なのかと問われた事がある程私の趣味は渋いらしい…。あとは夢…。今夢を見失っているせいで何も思い浮かばない。

「私の夢は好きな事で食べていく事です!」

色々考えている時にそんな自己紹介をした人が居た。そうか、それで良いのか。

「井尻 雅です!好きなものは鉄道、趣味は競馬観戦です!夢は自分の好きな事を仕事にする事です!これからよろしくお願いします!」

その時ようやく私は気づいた。自分の夢に。

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