神に仕える白い犬
夜更けの4km、6000歩のウォーキング。毎日同じ時間、同じ道のりで出会う人達。
この時間のここでは、この人の。あの時間のあの場所ではあの人。
私は彼らの様子を観察しながら、その人の暮らしや事情を想像する。
ほてった体をクールダウンするべく、いつものようにアイスキャンディーを買うためコンビニに立ち寄る。
店の前に大きな犬を2匹連れて休憩する一人の男性がいる。
彼も毎日、この2匹を連れて散歩の途中にこのコンビニに来る。
愛らしい目をし真っ白で、そしてフサフサした毛並みの2匹。
いつも私をしげしげと見つめてくる。
決して吠えることはない…。
私も彼らに
「やあ、こんにちは」と目で挨拶する。
大きい犬と、二回りほど小さな犬。
まるで神に仕えているかのような白い犬たち。
見上げるように私を見ている。
私はアイスキャンディーを買い、店を出る。
こうして、今日のウォーキングが終わる。
明日はどんな人達とすれ違うだろうか…。
(おわり)
自分自身のルーティンの中で、同じ時間、同じ場所で決まってすれ違う人は誰にでもいると思います。
なんとなくすれ違う人だが、繰り返すうちに意識するようになる。
そして観察を知らず知らずに始め、どんな人なのか興味を抱く。
何気ない日常も、そのように少しだけ意識するだけで色のない日常に鮮やかさ、暖かさが出るはず。
さあ、ウォーキングに出よう!
(作者)