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おっさんの徒然エッセイ

赤方偏移とドップラー効果

赤方偏移とドップラー効果、あとブラックホールについて少しだけ解説(笑)




 かつては宇宙は無限に拡がっていて最果てはないと考えられていました。

 夜も明るくなるはずなのに実際は暗いという「オルバースのパラドックス」も宇宙が無限でそこに恒星が一定の割合で分布していると仮定したなら、夜は昼なみに明るくなるはずだ、というものでしたね。


 オルバースのパラドックスは宇宙が無限では無いことの他にも、恒星の分布や光の伝達、重力の影響などが考慮されていませんから、そもそもの仮定に大きな誤りがあるわけですが、しかし、当時の人たちにとって宇宙が無限であることが当然の認識だったことは理解できます。


 タイトルの赤方偏移はこの「夜は明るくなるはずなのに」という部分をある意味では肯定しています。

 オルバースのパラドックスでは恒星の分布と光の伝達を間違って考えており、分布している恒星が地球側へと向いているとき、その光が全てが地球に到達しているなら、空は星で埋め尽くされるはず、と考えたものなんですね。

 実際にはそこまでの密度も無ければ、光は全て到達出来ないのですが、それでも、夜の地球にも光は降り注いでいます。夜行性の動物は赤外線を視ることで活動に必要な光源を得ていますね、そうなんです、私たち人間には見えない赤外線として光は届いているんですね。

 広い宇宙空間を光や電磁波が移動するときに、その波長が引き伸ばされる現象を赤方偏移といいます。

 光は波長が短いと青に長いと赤になるので赤い方へと偏って移る現象と言うわけです。


 なぜ、こうなるんでしょうか。

 これは恒星と地球の位置関係でお互いが離れていっているためと、重力の違いなどが影響しています。


 そして、宇宙が有限であり膨張している一つの証拠でもあるんですね。

 ハッブルは天体を観測するなかで、地球から離れた天体ほど遠くへと離れていっていること、これらの移動が距離に応じて等しく起きていることに気付きます。そこからハッブルは宇宙は膨張していると考えたんですね。


 どういうことでしょうか。

 皆さんの手元にゴムの細長いシートがあるとします。そのシートには丸いプラスチックのポイントが等間隔でくっつけられていると仮定して、両手でそのシートの端をそれぞれ持ちます。

 利き手を固定した状態で反対の手でゴムシートを伸ばした場合、プラスチック制のポイントはどうなるでしょう。

 おそらくですが、位置を固定している利き手側はさほど変化はなく、反対の手に近づくほど、ポイント同士の距離が伸ばされて拡がっているはずです。

 ハッブルはこれと同じことが宇宙で起きていると考えたんですね。そして、こうして、距離が伸ばされていくように光などの波長も伸ばされていき、赤外線から最終的には消えてしまうんですね。

 さて、先ほど重力によっても光は伸びるといいました。どういうことでしょうか。私の拙い説明で理解していただけるか不安ですが、解説です。

 今度は一辺が2mくらいの大きな正方形のゴムシートがあると想像して下さい。トランポリンのように周囲を固定して、そこに大小様々な質量のボールをおきます。

 例えば野球のボールをおくと少し凹みます。バスケットボールはそれよりも凹むでしょう。ボウリングの玉だとかなり沈むと思います。

 この重さによって伸ばされているシートの歪みは空間における重力による変化と同じだと考えて下さい。質量を持つものは空間を歪ませます。実験では2次元でしたが、実際には3次元空間で歪みがおきますから、たて、よこ、たかさ全て歪み伸ばされているわけです。なのでそこを通る光も伸びるんですね。

 ちなみにブラックホールはこの実験で考えるならパチンコ玉くらいの大きさでアフリカ像くらいの質量がある物体をシートの中央に落としたと仮定して下さい。

シートは物体の大きさにあわせて、シート中央を狭い範囲で引き伸ばされ続けます。大きさにたいして質量が多いために細く長く伸ばされ、やがて破れてしまいます。このように空間に底無し沼のような落とし穴をつくってしまうのがブラックホールです。ここに光が落ちると引き伸ばされ続けて消失してしまうわけですね。

 赤色巨星と呼ばれる太陽の1000倍以上の大きさを持つ星が爆発、収縮し、中性子星という光を放たない星に質量を保ったまま圧縮されることで、小さいのに巨大な質量を有する物質として、空間を歪めてしまうんですね。


 さて、話を赤方偏移に戻しましょう。

 赤方偏移は宇宙の膨張や重力、そして恒星と地球の距離的な移動により起きるわけですが、これを身近に感じられる現象があります。

 ドップラー効果です。

 あれです、救急車が近づいてくると音が高くなって、離れていくと低くなるやつです。

 赤方偏移は距離によるドップラー効果なわけですが、救急車の場合、この引き伸ばされたり、縮められるのが光ではなく、音の波長なわけですね。

 近づいてくるときは波長が圧縮され高くなって、反対に離れていくときは伸ばされて低くなるわけです。


 うちのにゃんこも夜も活発なのはこうして遠い宇宙から届く赤外線を見ているからなんですね。

 私には見えないけれど、長い旅をした光がうちのにゃんこの夜間行動を支えてくれる。

 素晴らしいけど、少し静かにしてね、寝れないから、そんなことを思った筆者です。

分かりにくい解説でしたかね(-ω-;)

一応、小学生でも理解出来るを意識しました(笑)

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― 新着の感想 ―
[一言] あれ? パチンコ玉サイズにアフリカ象質量で、ブラックホールになりましたっけ? せいぜい白色矮星程度なような? で。 肝心の『光』の歪曲について、説明が甘いように感じました。 『重力によっ…
[良い点] わかりやすかったです! 走のような馬鹿にも届きました! 『赤方偏移』! [一言] 流暢な語り口と、ものを使った例えが見事でした! 見事すぎて、又、嫉妬←オイ。
2021/11/05 18:41 退会済み
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