第二話
アリス「ふわぁぁぁあ。」
うらら「相変わらず眠そうね、アリスは。」
アリス「ちょっとぉ。うららだって今日たかちゃんの授業中寝てたでしょ?」
うらら「まぁ、そうだけど。私は寝てたって高野には注意されないもん。」
祐「うわぁー。なんかムカつくー。」
アリス「それはそうと、何で補修を取り消しにしてくれなかったのよぉ。うららが言えば、一発で補修取り消してくれたはずなのにぃ。」
うらら「別にいいじゃない。どうせ補修出たって寝るだけでしょ?」
祐「…まぁ、そうだけど。」
うらら「ならいいじゃない。アリスはもう寝てるし。」
祐「…そうだな。寝る…か……。」
うらら「ほーんと、寝るの早いわね。アリスと祐は。」
* * *
アリス「ん……あれ……? ここ学校……?」
どう見ても学校だけど、何かが違う気がする……。
あ…ただ暗くなっただけ…?
って、今日は午前授業だったのに、もう5時…?
ニャーッ
アリス「きゃっ! …なんだ、猫か…。」
…なんで学校に猫がいるの?!
???「おとぎの国へ行きたくないかい?」
え? 今私に話しかけたの誰?
…うらら? 祐?
アリス「ちょっと! うらら、祐! 何のつもりよぉ! 私を怖がらせようって計画?! その手にはのらないんだから!!!」
???「話しかけたのは私だ。」
アリス「だ、誰?」
部屋を見渡したって、私の他にはうららと祐と猫しか……猫?? まさか、猫…? なわけないよねぇ…?
???「早く見ろ! おい、こっちだって!」
アリス「えぇ?!」
紛れも無く、猫だわ。そう。ただの猫。
え、でも…ただの猫が喋るとかおかしくない?
猫「やっと気付いたか、アリス。」
アリス「どうして…私の名前を知ってるの…?」
猫「私はずっとお前を探していた。いや、魔界の者は皆、アリスのことを探しているのだ。」
アリス「何故…私を…?」
謎の猫は、にやりと笑った。猫は笑えるはずないのに…。
そして、いきなり私の目の前に白うさぎが現れ、私の腕を思いっきり引っ張った。
アリス「きゃっ…!!!」
白うさぎ「さぁ、行こう。アリス。」
猫「おとぎの国へ…。」
アリス「ちょっ!! ちょっと待ってよ!! うららと祐はどうなるのよ…!!!」
猫「もちろん、二人だって来るに決まってるだろ。」
アリス「きゃああああああああああ!!!!!」
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