第一話
「…山! 神山!!」
私はその声に起こされた。
アリス「何よ、たかちゃん。」
高野「教師をたかちゃん呼ばわりするんじゃなーい!!!」
アリス「はぁ?? いつもたかちゃんって呼んでるじゃないのよ!」
高野「今は授業中だっ!! っていうか、お前なぁ、授業中に寝るんじゃない!」
アリス「寝てるの私だけじゃないってば。」
高野「…はぁ?」
アリス「うららと祐も寝てる。」
高野「…二宮、ほら、起きるんだ。授業中だぞ。…土屋! おい、起きろ!!!」
はぁー。たかちゃん、またうららだけひいきしてる。
あ、私の名前は神山アリス。中学1年生。
え? あぁ…。そうね、私は確かに、この1−Aではちょっとした問題児。
遅刻したり、授業中寝たり、授業サボったり。
毎日のように補修に出させられるし。
ま、ほとんど出たことないけど。
そして、今まで寝てた二宮うららと土屋祐は、私の心友! というか、悪友かしら?
うららは、たかちゃんこと高野隆のお気に入りの生徒。
同じことをしていても、うららだけは許すのよ、たかちゃんは。
そういうのって、最低。
土屋祐は、毎回私と一緒に補修に出ろと言われるメンバーの1人。
まぁ、私と祐しか出ろなんて言われないけど。
高野「全く、神山と土屋は今日の補修に出ること!」
祐「はぁ!? なんでだよ! うららだって寝てただろっ? そういうのって、ひどくねぇか!?」
アリス「そうだよ、たかちゃん。ひいきって、教師にとって最低な行為なの。知ってた?」
高野「うるさい! 二宮はいいんだよ。」
うらら「高野。私も補修出る。いいでしょ?」
高野「え? …まぁ、二宮がそう言うのなら…。」
ったく、ほんとうららには甘いんだから。
うららだけだよ、たかちゃんのこと、高野って呼び捨てにしてるの。
まぁ、たかちゃんを使っていろいろ悪いことしてきたもんねー♪
でもさぁ、私も補修出る、じゃなくて、補修を取り消してくれれば良かったんだけどなー…。
まぁ、そんなこんなで(どんなこんなで?)、私たちは補修に出ることになった。