ブラウザの拡張機能として「Grammarly」を利用するⅢ
「Grammarly」がブラウザの拡張機能である以上「Grammarly」が有効になるのは、ブラウザで開く事の出来る文書に限られます。
つまり「Webベースで文書を作成するサイトやアプリ」であれば、「Grammarly」の校正機能が使えるという事です。
もっと具体的に言えば「Gmail」「Facebook」「Twitter」のようなサイトやアプリがそれに該当します。
ブラウザの拡張機能が有効になり、前回説明させて頂いた設定が終われば、ユーザーはすぐに「Grammarly」を使い始める事が出来ます。
使い方は非常に簡単で「Gmail」を例に説明すれば、「Grammarly」をインストールしたブラウザで「Gmail」を開き、新規で英文メールの作成を始めると、即座に文書の校正が始まり、片っ端から間違いを指摘してくれます。
具体的には間違った部分に、赤色や青色等のアンダーラインが引かれますので、指摘部分は一目瞭然です。
次にアンダーラインが引かれた部分にカーソルを合わせると、修正候補が表示されます。
後は修正候補をクリックすれば、修正が完了します。
たったこれだけです。
一連の動作がシームレスでリアルタイムに行われるため、文書作成者は効率的に正しい文書を完成させる事が出来ます。
とは言え、前回述べた以外の設定項目が全く存在しないわけではなく、「Grammarly」が有効になったwebサイトで文書を作成しようとすると、文書の右下に緑色のボタンが表示されるようになります。
このボタンにカーソルを合わせると、その左側に白い電源ボタンのようなマークが表示されます。
これは「Disable on this website」と言って、前回説明させて頂いた「Check for writing suggestions on *******.com」の設定項目と同じく、対象のWebサイトで「Grammarly」を無効にするためのボタンです。
このボタンを押すと「Disable Grammarly on *******.com ?」というタイトルのダイアログボックスが表示され、タイトルに示されたwebサイトに対して以下の3つの選択肢が示されます。
① DISABLE UNTIL NEXT VISIT
同じサイトが再度開かれるまで、一時的に「Grammarly」を無効にする。
② DISABLE FOREVER
常時「Grammarly」を無効にする。
③ KEEP IT WORKING
「Grammarly」を有効なままにしておく。
先程申し上げた通り、入力した文書に間違いを発見すると、「Grammarly」は間違った部分にアンダーラインを引きます。
それと同時に、今まで緑色だったボタンが赤色に変化し、赤色のボタンの中に間違いの数を表示します。
間違いを都度直すのではなく、一旦文書の入力を終わらせてから、まとめて修正を行うような書き方をする場合、間違いが発見される度に、赤色のボタンに表示される数字は増えていきます。
また有料版(Premium)や法人版(Business)でのみ検出する修正対象が発見された場合、「Edit in Grammarly」ボタンにカーソルを合わせると、黄色のボタン(See advanced corrections)が表示されるようになります。
無料版(Free)を使っている場合でも検出は行われるため、黄色のボタンは表示されます。
さらにボタンをクリックする事で、修正対象の数までは知る事が出来ますが、当然ながら無料版では具体的な修正内容については知る事が出来ません。
こうして実際に文章を数行入力していくと、緑色か赤色の「Edit in Grammarly」ボタンの左側に、今まで紹介したボタンとは異なる、絵文字のボタンが表示されるようになります。
実は「Grammarly」には文書のトーンを判定する機能が用意されており、これは作成した文書のトーンが一目で分かるようにするための絵文字です。
この絵文字ボタンをクリックすると「GRAMMARLY TONE DETECTOR」(トーン検出)というタイトルのダイアログボックスが表示されます。
ダイアログボックスの冒頭では、以下のようなコメントが表示されます。
Here's how your text sounds
Which tones did we get right?
※文章は以下のようなトーンのように思われます。
どのトーンが正しかったでしょうか?
検出されたトーンは、文字で説明するだけでなく、絵文字と一緒にコメントの下に表示されます。
先程申し上げた通り、この絵文字は文書のトーンを感覚的に掴む目的で表示されます。
そのため各トーン別に専用の絵文字が用意されています。
検出されるトーンの種類は非常に多彩で、一部を挙げただけでも、これだけあります。
Admiring (称賛するトーン)
Angry (怒りのトーン)
Anxious (不安そうなトーン)
Appreciative (感謝するトーン)
Confident (自信に満ちたトーン)
Direct (直接的なトーン)
Disapproving (難色を示すトーン)
Dissatisfied (不満そうなトーン)
Encouraging (元気づけるトーン)
Forceful (力強いトーン)
Formal (きっちりとしたトーン)
Frank (率直なトーン)
Friendly (親しみのあるトーン)
Informal (くだけたトーン)
Informative (通知するトーン)
Joyful (楽しそうなトーン)
Objective (客観的なトーン)
Optimistic (楽観的なトーン)
Sad (悲しいトーン)
Skeptical (懐疑的なトーン)
Worried (心配そうなトーン)
検出されたトーンの右側には、トーンの強さが5段階のレベルで表示されます。
さらにトーンの強さを示すレベル表示の右側には親指を上げるマークと親指を下げるマークがあり、トーンが正しく検出された場合には、親指を上げるマークをクリックして有効にし、トーンが正しく検出されていない場合には、親指を下げるマークをクリックして有効にする事が出来ます。
またダイアログボックスの最下部にある「Always show emoji for detected tones」という項目にチェックが入っていると、検出されたトーンの絵文字が常に表示されます。
※初期設定はチェックが入った状態です。
ただし「Grammarly」のトーン検出機能はベータ版であるため、親指マークを有効にしても、今のところ特別なイベントが発生する訳ではありません。
逆に言えば、ベータ版のサービスだからこそ無料版でも利用可能ですが、これが正式なサービスになった場合、無料版でトーン検出機能は使えなくなる可能性があります。
次回は10月2日(金)20時に公開予定です。