各サービスの特徴 (無料版・有料版・法人版)
前回申し上げた通り「Grammarly」には個人向けの無料版(Free)と有料版(Premium)、そして法人版(Business)の3種類があります。
まず無料版(Free)では使える機能は、基本的な添削機能(Basic writing corrections)に限定されています。
具体的には「Spelling」(つづり)、「Grammar」(文法)、「Punctuation」(句読点)の3つが正確かをチェックする機能になります。
そして「校正ソフト」と言うからには、単に間違いを指摘するだけでなく、正しい候補まで示してくれます。
そのため利用者は正しい候補の中から最適な候補をチョイスするだけになります。
これが有料版(Premium)になると、単に間違いを指摘するだけではなく、より明快で、より丁寧で、より分かりやすい英文作成の手助けまでしてくれます。
具体的には無料版(Free)に比べて、以下の機能が追加されます。
① Fluency:流暢な表現
Ensure your word choices sound natural and fluent.
自然で流暢に聞こえるような言葉の選択を保証します。
② Readability:読みやすさ
Identify sentences that readers may have to reread in order to understand.
読者が読み返さないと理解できないような文書を特定します。
③ Word choice:単語選択
Find vivid words to enliven each and every message.
個々のメッセージを盛り上げるような、生き生きとした言葉を見つけ出します。
④ Plagiarism detection:盗用の検出
Ensure your work is fresh and original by checking it against 16 billion web pages.
世界中の160億のWebページと照合する事で、作成された文章がオリジナルであり、盗用された文書でない事を保証します。
⑤ Inclusive language:排他的でない言葉使い
Ensure that the words you use are respectful and current.
使用する言葉が丁寧で、現代に通用するものである事を保証します。
⑥ Formality level:形式レベル
Write with the appropriate tone, even when you are in a hurry.
きちんと形式が守られた文書であるかのレベルを判定・表示する事で、
例え急いでいる時であっても、きちんとした文書が書けるようにします。
⑦ Additional advanced corrections:追加の高度な文書添削
Fix inconsistencies in spelling and punctuation, adjust the tone of your writing, and additional advanced corrections.
スペルと句読点の不整合を修正し、文章の語調を調整する事で、追加の高度な文書添削を行います。
無料版(Free)と有料版(Premium)の違いを端的に表現すれば、無料版は間違いは指摘してくれますが、「間違ってないもの」は指摘してくれません。
これに比べて有料版では「今のままでも文書として間違ってる訳じゃないんだけど、こっちの表現の方がより正確で明快で印象的ですよ。」という単語やフレーズを例示してくれます。
無料版の場合は、文書として明らかに間違っていない限り指摘してくれませんが、有料版ではより良い正解まで示してくれるのです。
便利ですよね、さすが有料版です。
そして最後に法人版(Business)ですが、これは3人から149人までの組織のためのプロフェッショナルで明確なコミュニケーションを目的としています。
具体的には有料版(Premium)に比べて、以下の機能が追加されます。
① Admin panel:管理操作パネル
Add or remove users, transfer seats to other team members.
コンピューター上の管理操作パネルで、利用メンバーの追加や削除およびメンバーの入れ替えを行います。
② Centralized billing:集中請求
Centralized account billing makes expensing and managing preferred payment methods a snap.
アカウント課金を一元化する事により、希望する支払い方法の支出と管理が簡単になります。
③ Priority email support:優先的なサポート
Bypass the support queue for individual subscribers.
個人加入者のサポート順番待ちの列をすっ飛ばして、優先的なサポートを受ける事が出来ます。
④ Single sign-on
Authenticate logins with your single sign-on provider.
シングルサインオンプロバイダーによるログイン認証に対応しています。
これにより利用者は、複数のIDやパスワードを管理する煩雑さから解放されます。
⑤ Style guide:文体の手引書
Create a company style guide to help team members stay clear, consistent, and on-brand as they write.
社内のメンバーが文書を書く際に、明確で一貫性があり、なおかつ企業イメージに合った文書作成を行うために、社内で使用する文体の手引書を作成します。
ご覧の通り、法人版独自の機能は個人で使用するにはあまり必要無いものばかりですので、個人ユーザが法人版を使うメリットはほとんど無いと言えます。
実はこれ以外に「Grammarly @edu」と呼ばれる、学校などの教育現場で使用するための特別なプランが存在します。
ただし教育関係者以外は、そもそも「Grammarly @edu」に申し込む事が出来ないため、一般ユーザには関係の無いプランになります。
次回は9月4日(金)20時に公開予定です。