第二話 派遣魔術師
街をブラブラしていた次の日、始眼はある組織を訪ねていた。
その組織の名はValletta。
昨日のレギオンの件で女性が人々を助けていたがその助けていた女性が所属していた組織である。
そのValettaの本部に今、始眼はいる。
本部に入って早速、始眼は出迎えを受けた。
「わざわざ来てくれて助かったわ。本来なら私から出向くいたほうがいいんでしょうけど」
始眼を迎えてくれた人物はValettaの頂点でありValettaを束ねている総隊長・志水 六火。
「いいですよ。元々、こちらから出向くつもりだったので」
始眼は気にしていないように言う。
そして、始眼は奥の部屋に通され、椅子に座るように促される。
ゆっくりと始眼は椅子に座り六火と話し始眼める。
「そういえばあなた昨日レギオンとのいざこざに巻き込まれたらしいわね。大丈夫だったの?」
「あの程度なら大丈夫ですよ。それに、俺がレギオンとのいざこざに巻き込まれたぐらいで負傷するとでも?」
始眼の問いに六火が首を振る。
「まさかあれぐらいで怪我するなんて思ってないわよ。でも、まさか巻き込まれるなんて思わなかった」
「俺も巻き込まれるとは思わなかったですよ」
やれやれ、というふうに始眼は少しのため息をする。
その様子を見て立火は苦笑いをする。
立火は部屋にある時計を一瞬だけ目に入れて、始眼へとその視線を戻す。
「大変だったところ済まないけど、私はこの後にも色々予定が入っていてね。早速で悪いけど、あなたがこれから所属してもらう隊について説明するわね」
始眼は諸事情がありValettaに派遣されることになっていた。
「Valettaには第一師団から第七師団まで隊があるのは知っているわよね」
「はい。もちろん知っていますよ」
「その中であなたに所属してもらう隊は第七師団。それなりに強い子が多い隊なんだけどみんな個性が強くてね。少し大変かもしれないけどお願いできる?」
「もちろん。というか元々その隊に配属するつもりだったんでしょ。それに個性が強くて大変なぐらいが退屈しなくて丁度いいですよ」
「さすが始眼くん。そう言ってくれると思ってたわ」
そう言って六火はニコッと笑う。
「それじゃあ、実際に会ったほうがあなたにとっては色々と分かると思うから早速第七師団の寮に行こうか」
そう言って六花は総隊長室を後にし、始眼も六火の後を追った。
ー第七師団寮ー
「さあ、着いた。ここが7番隊の寮よ」
「おぉー!」
寮は和と洋が組み合わさっている建物だった。
寮の中に入ると第七師団の女性隊員達がいた。その中の一人の女性に始眼は見覚えがあった。
そう、その女性は昨日レギオンを倒して始眼に注意と感謝の言葉を言っていた女性だった。
向こうも始眼に気づいたが特に何もなかった。
「さてこれからここに新しく所属する人を紹介するよー」
六火がそう言うと女性隊員はみんな横一列に並んだ。
「彼が今日からここに所属することになる・・・」
と六火が始眼の紹介をしようとした時、昨日の女性が質問してきた。
「総隊長。なぜ、男性がValettaに配属することになったんですか?男性は能力がなく戦闘ができないはずですが」
その質問に六火が返答しようとして始眼が止めた。そして、女性隊員全員をジッと見た。
「うん。みんないい目をしているね」
女性隊員はみんな何を言っているのか分からない顔をしていた。
「さて。それじゃあ自己紹介の続きをするよ。俺は魔術師、千道始眼。よろしくね。なんで男性である俺がここにいるのかについても含めてこれから色々と詳しく話すか安心して」
そう言って始眼はニコッと笑った。