闇にのまれる
ああ、闇にのまれる。
今日の闇は、格別にまとわりつく。
自分の感情をこれでもかと逆なでしてくる、そういう闇。
のまれていく自分に、心底あきれている。
ああ、闇だ。
闇はいつでも私の中に潜んでいて。
ふとした拍子に、ぽんと顔を出す。
闇が、私を捉えて離さないのか。
私が、闇を抱えて手放せないのか。
私のまわりには、ただ、闇、闇、闇。
闇の中で闇を思う。
ここには闇しかないと、ただ気がつく。
闇はなぜこんなにも私にまとわりついてくるのだろう。
闇、闇、闇。
私の感情をすべて包み込む、闇。
闇の心地よさに、ただ、身を任せ。
闇の優しさに、ただ、身を任せ。
広がっていく、私の闇。
ここは私の闇を、闇で隠してくれる。
ここは私の闇を、闇で癒してくれる。
ここは私の闇を、闇で吸収してくれる。
闇がすっかりなくなった私が、ここに、いる。
目を開ける。
闇が、放散した。
目覚まし時計が鳴る前に、私はパッチリ目を覚ました。
今日も目覚めがいい!
まぶしい光を浴びながら、うーんとひと伸びして、ベッドから降りた。
さ、早く準備して、仕事いこ!
寝て、起きただけ。