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すりみつみれの冒険おやたい❣  作者: みどりのヤクルト
三国目 南国の島国セイラゴン
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シュガーリリーにご用心!2

猫耳少女は額を指で叩いたり腰に両手を当てたりして考え事をするような顔をした後、さらに尋ねた。

「ねえ、お姉さんたち、これからどこ行くの?町?こんな小さな島に来るってことは砂糖買いに来たんだろ?」

このずいぶんと男の子っぽいラフな喋り方は、儀礼とマナーでガチガチに固められていたサンソヴールの後では、逆に心地よかった。その屈託のなさにスリアミドラも楽しそうに答える。

「それがね、今まさにどこに行こうかなって話し合っていたところなんです、町も楽しそうだけど、海もきれいだし、ここは素敵な島ですね」

子供相手にも敬意を忘れないその話し方に驚いたのか、猫耳少女は大きな瞳でスリアミドラをじっと見つめると満面の笑顔でこう言った。

「じゃあさこの島でいちばん綺麗なとことか見てみたくない?行こうよ案内してやるからさー!」

少女にとってはこの見たこともない外国人の客たちはとても魅力的なおもちゃに感じられたのだろう、スリアミドラの手を掴むと引っ張った。慌てて止めようとするアルトを微笑みながら遮って、スリアミドラは少女に「はい、お願いします!」と答えると名前を尋ねた。

「えっあたしの名前?あそっかごめんごめんあたしせっかちだからさママにもすぐ怒られるんだ!あたしの名前は、リーニャ!」

そう言ってリーニャはくるっとひと回転してみせた。体力を持て余しているのだろう、それからシラノたちが登っていったのとは逆にある坂を駆け上がりながら四人に「早く早くーっ!」と声をかけた。

つみれ達は顔を見合わせたが、せっかくの出会いだし、綺麗なところという言葉にスリアミドラが期待しているのがわかったので、おとなしく付いていくことにした。

ただ、おとなしく付いていこうにも、坂に次ぐ坂を登っていくうちにつみれはへとへとになっていた。そもそもこの世界に来てからは、毎日履いていたスニーカーではなく革靴だ。スリアミドラに至っては木でできたヒール付きの美しい靴を履いていてとてもアウトドア向きではなさそうだ。

必死に一歩一歩進めるつみれとは正反対に、リーニャは楽しそうにいちいち跳ね回ってはくるくると回ってつみれが追い付くのを待ってやった。

「す、すりみちゃんとか、ハイヒールなのに、き、きつくないの?」

ゼエゼエと息を吐きながらつみれが訊くと、スリアミドラは涼し気な顔で、

「キャロトリアは高山地帯ですから日頃から鍛えられているのかもしれません!」

と白いレースの日傘の柄をくるくると回しながら楽しそうに答えた。どうやらウーヴァで買ったのが随分とお気に召したようだ。

(さすがウサちゃん王女様、ウサ耳だけじゃなくて足もすごいんだね……)

確かにあの石造りの堅牢なキャロトリア城ならそれも当然かもしれない。そんなことを考えながら一生懸命登って行くうち、ふと急に視界を圧迫していたものが消えたような気がしてつみれは顔を上げた。それまで目を覆っていた木々の茂みや山肌が見えない。どこか開けたとこにでも着いたのかな、と思う前に、スリアミドラがはしゃいだ声をあげた。

「わあっ見てくださいっ!素晴らしい景色っ!!!」

雲ひとつない青い空と青い海が延々と広がっている。五人は木立に続く道を抜け、海に突き出た岬に立っていたのだった。

澄みきった柔らかな風が空と海の間を渡って来ては、耐え間なしにつみれ達の顔を撫でていく。白い太陽の光に海の波がキラキラと穏やかに反射しているのが自然とみんなの顔を微笑ませた。

リーニャはうっとりとするつみれ達に

「どうどう?綺麗でしょっ?気に入ってくれたかっ?!」と問いかけた。

「ええ、とっても!」スリアミドラがにっこりと笑いかける。

「船から見るのとは違いますね!!こんなに空が近くて、まるで天地のはざまにいるみたいですっ!ね、アルト?」

「そうですね、力強くもたおやかで、キャロトリアの景色とは全く違った美しさがあります。」

その言葉を聞いたリーニャは大満足したようで、「そうかそうかっよかったーっ!!!」と言いますます満開の笑顔を見せた。

つみれもなにか気の利いた感想を言おうと頭をひねったが、こういう時に限ってなにも浮かばない。焦れば焦るほど、

ぐうーーーーーーーーーーーー⤴︎???

ふいに、間の抜けた音が響き渡った。つみれのお腹が鳴る音だった。

デルテアネが真顔で見下ろしてくる。その顔はあまりにも場違いな陽気な音色に心底理解不能といった顔つきだった。

(や、やば…………空気壊しすぎ……でででも朝ごはん少な過ぎたんだもんていうかこれお腹の音だからねみんな誤解しないでね?!)

スリアミドラが目をぱちくりさせる前にリーニャが吹き出した。

「あははははっ今のなにーっ耳なしお姉ちゃんっ!!!もしかして歩き過ぎてお腹すいたのか!?」

みんなの純粋な感動をぶちこわした恥ずかしさで言い返す気力もなくつみれは真っ赤な顔でこくこくと頷いた。

(お、おならよりはマシじゃん!?)

つみれが頭の中で理不尽な抗議をしていると、リーニャが笑いながらこう言った。

「あはは、じゃあさあ、よかったらうちでお昼ご飯食べてかない?!あんまいいものは出せないけど、うちこっからすぐだからさ!あたしのママのご飯、おいしーよ?」

猫のしっぽをフリフリしながらそう訊ねるリーニャの手をつみれはがっしりと掴むと、「お願いします!!!」と答えた。

ええっちょっと急にお引越ししなきゃいけないことになっててあわててます!!!いつも読みに来てくれてありがとうございます、忙しくてやたらわたわたしてるのですごく元気もらえます。

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