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公式チート・オンライン  作者: 紫 魔夜
第3章 U18トーナメント編

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Lの戦い レフト

 レフトは杖ーー処女神杖(ディバインヴァルゴ)を、対するゼクレテーアは槍を構える。


星具(せいぐ)の力を見せてやるよ!」

偃月刀(えんげつとう)のサビにして差し上げますわ!」


 決めゼリフと共に2人の魔法使い(MAGE)は地面を蹴って、飛び出した。

 全く魔法使いらしくない始まりだ。

 けれど、魔法的な要素がないかと言えば、そうではない。動き出しから僅かに遅れて、ゼクレテーアの姿が魔法のように掻き消える。

「例のステルス能力(チート)か!」

「その通りですわ」

 返答の声は正面から聞こえた。

 間合いを予測し、レフトは杖を振り上げる。


「え……」

 それで、攻撃を防げたのは運が良かっただけだろう。けれど、そのチャンスを無駄にしないのは、運ではなく実力だ。

 すかさず放った蹴りが、不可視のゼクレテーアに突き刺さる。

「くぁっ……」

 お腹を押さえながら、たたらを踏むゼクレテーアが現れた。見えなくても触れられる。

 レフトの顔に勝気な笑みが浮かんだ。


「それでも、万能とはいかないらしいな」

「えぇ、まあ。そうですわね」

 ゼクレテーアが憂いを帯びた深いため息をつく。

 衣装と合わせて、その姿は仕事に忙殺されたOLのようで、現実(リアル)でもそうであるかのように違和感がない。

 大人になってもああはなりたくないな、とレフトは密かに思った。


「その力、あくまで視界から消えるってだけか?」

「えぇ、そうですわ」

 ゼクレテーアは笑みを浮かべながら、槍を構える。

「その他の五感ーー聴覚、嗅覚、味覚、触覚への干渉は出来ませんの。味覚は……試したくもありませんけど」

「俺にもそんな趣味はねぇよ」

 食人鬼(GHOUL)ならわかるかもしれないけど。と、レフトは苦笑する。


「私自身が解除するか、一定以上のダメージを与えられない限り、解けることはありませんわ」

「……素直に教えてくれるんだな」

「知ったところで、対処出来ないでしょう?」

 ギシンの森の時は隠そうとしていたわりに、今は嬉々としてチートの詳細を語る姿に、違和感を覚えた。

 ブラフか、他に狙いがあるのか。


「いや、俺なら倒せるさ」


 そんな駆け引きはレフトには必要ない。

「倒せる? 随分と甘く見られたものですわね。あまり舐めないでもらえますか?」

「甘かろうと舐める気はねぇよ。さっき言ったろ」

「そうではありませんわ! ムカつきますわね! 分かっていてやっているのでしょう!」

「もちろん」

 レフトの回答に、ゼクレテーアが絶句した。


 が、そんなことは気に留めもせず、レフトは杖を構えて、その力の片鱗を解放。


「さあ、続けようぜ」

 準備万端整えて、レフトが笑う。

「その透明化(チート)、攻略してやるからよ」

「……目に物見せてやりますわよ」

「見えなくなるんじゃなかったのか?」

「……言葉の綾ですわ! さっきから人の挙げ足ばかり取って、何のつもりですの!」

「目的なら果たしたさ」

「は?」

「消える相手と戦うんだ。相手のペースは崩しとかなきゃだろ?」

「…………っ!」

 表情が引き攣った。それから、ハッと目を見開いて、余裕の笑みを浮かべる。クールに見えて、案外、表情が顔に出やすいタイプらしい。


「なるほど、そういうことでしたの。だとしても、それを話すとはおバカさんですわね。わたくしは、もう、惑わされませんわ!」

 ゼクレテーアが動いた。

「不可視の刃に討たれなさい!」

 その姿が掻き消える。とはいえ、初動からおおよその位置を把握することは可能だ。それを読んで違う動きをする可能性もあるが、その予測をしていてはキリがない。

 レフトは眼前に杖を振り下ろした。

 ーー手応えはない。


「あまいですわよ!」

 ゼクレテーアの声が横から飛んでくる。それと同時に、鋭い衝撃が脇腹に走り、HPが半分近くまで一気に削られた。

「ふ、油断しましたわね」

 不敵な笑みのゼクレテーアが浮かび上がる。

偃月刀(えんげつとう)の攻撃判定は、魔法攻撃力で行われますの。非力ではなくてよ」

「そりゃ凄い。そんなのあるなんて知らなかったな(・・・・・・・)

「何を白々しい」

 レフトの賛辞に、ゼクレテーアは不快感を顕にした。


「昨日、あなたが使っていた武器も同類でしょう」


 その指摘は、棒読み気味の言い方ではなく、内容についてだ。それも、憶測だろうに、間違っていないという自負に満ちている。

 ごまかす(・・・・)のは難しいだろう。

「……バレてたか」

「大方、接近戦に応じておき、不意をついて装備を交換し、逆転という筋書きだったのでしょう」

 レフトはニヤリと笑った。

「で? こっちの作戦を見破ったから何だって?」

「構え直す暇もなく殺して差し上げますわ!」

 ゼクレテーアが姿を消しながら、走り出す。

 レフトは素早く杖を前に突き出した。

()べ、火球(かきゅう)。ファイアボール」

 杖の先端から小さな火球が放たれる。

 だが、火球は何にも当たることなく真っ直ぐに飛んで行った。


「当たるわけがないでしょう?」

 余裕な笑みを浮かべながら、ゼクレテーアは槍を振るう。攻撃の前にチートを解いたのは、避けられないと考えたからか。

 事実、レフトは槍を避けることが出来なかった。

 直前の傷をなぞるように槍が振るわれる。緑色だったバーはすぐに黄色く染まり、赤くなって、消えるーー寸前で持ちこたえた。

「……意外とタフですわね」

 首の皮一枚の命だが、レフトは不敵に笑う。


「戦士のライバルがいてな。物理耐久も上げてんだよ」


 その右手には小さな盾。

 防御は間に合わなかったが、防御力を上げるのは間に合ったのだ。

「あぁ、彼ですか。けれど、次の一撃は耐えられないでしょう?」

 不敵に笑い返し、ゼクレテーアは三度(みたび)姿を消した。


「ま、当たればな」

 レフトは苦笑しながら、杖を突き出す。

()べ、火球(かきゅう)。ファイアーー」

「学習能力がありませんわね」

 虚空でゼクレテーアの声が響いた。

 それで位置がわかったりはしないが、近づいてきてることは間違いない。今のレフトには、それで十分だ。

 レフトは、心の中で願うことで、杖のモードを変化させた。それに合わせて、杖の先に生まれていた火球が消える(・・・)

「ーーボール」

 詠唱が終わると同時に、燃えるような(・・・・・・)輝きを纏った杖を斜めに振り下ろした。

「……え?」

 ーー手応えあり。


「一撃なんて、ありえーー」


 ゼクレテーアの声がブツリと途切れた。見えなくなっているせいでわかりづらいが、HPが0になり居なくなったのだろう。

 レフトはそう判断し、肩の力を抜いた。

「学習能力がないのはお前だよ。透明になっておきながら、同じ場所しか狙わないなんてな」

 レフトは杖を振り下ろしたのは、姿を現して(・・・・・)攻撃してきた時にいた場所に向かってだ。つまり、最後の一撃が決まったのは、彼女が同じ動きをしたからだった。

「まあでも、俺が勝てたのはこれのおかげだな」

 処女神杖(ディバインヴァルゴ)を撫でながら、レフトは小さく微笑む。そしてーー


「俺は勝ったぞ。ライト」


 別の場所で戦っている戦友の無事を祈った。


【   チームL  VS    魔法協会    】

【 レフト(Lv18)VS ゼクレテーア(Lv18)】

【   WIN   VS    LOSE    】


 こんにちは。

 今日は武器(ARMS)ガイドの銀として、解説させていただきますね。

 ゼクレテーアの武器、偃月刀について。

 あれは魔法使いのクエスト【星月夜の洋館に潜む影】で得た【月】シリーズのひと振りで、魔法攻撃力で物理攻撃が出来るという性能をしています。

 魔法攻撃も普通に可能で、レフトと同じく魔法を乗せることも可能です。

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