表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
公式チート・オンライン  作者: 紫 魔夜
第2章 チート解放編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/94

ギシンの森 開幕

┏━━ 魔法使い(MAGE)(あかし) クエスト4━━┓

┃                 ┃

┃ 【アイテム】を使用することなく ┃

┃  様々な【試練】を乗り越えて、 ┃

┃ 【ギシンの森】の深奥に住まう  ┃

┃ 【蟻神】のもとへと辿り着け!  ┃

┃                 ┃

┃ 尚、このクエストでは、個人の生 ┃

┃ き残り状況に関わらず、討伐成功 ┃

┃ で、パーティ全員がクリアとなる ┃

┗━━━━━━━━━━━━━━━━━┛


 扉をくぐった瞬間、目の前にクエストの表示が現れ、自分のHPバーの上に5本のHPバーが追加された。ギシンの森を攻略するまでは、強制的にパーティ扱いとなるらしい。

 読み終わったタイミングを見計らってウィンドウが消えると、森の奥に扉が現れた。それも6つ。

 クエストの説明を信じるなら、これが第1の試練か。

 プレイヤーが6人いることを踏まえると、それぞれの扉に別れて入る必要があるのだろうが、扉には意味深なアルファベットが書かれており、適当に選べばいいというものではなさそうだ。


【ATK】【DEF】【INT】【RES】【AGL】【ALL】


 書かれた文字の意味は何となく予想がつくが、それがどう関係するのかは扉だけではわからない。それを確かめるには、中央にある立て札を確認するしかなさそうだがーー

「なるほど。おい、見てみろよ」

 先陣を切って確認したレフトがニヤリと笑みを浮かべる。

 その時点で嫌な予感しかしないが、見ろと促されては見るしかない。


(とびら)(さき)には、1つステータスに特化(とっか)したモンスター(たち)()(かま)えている。それぞれの得意(とくい)分野(ぶんや)見極(みきわ)め、攻略(こうりゃく)せよ】


「……なるほど」

 ひとつのステータスに特化したモンスター。

 ということは、アルファベットの意味は【ATK(物理攻撃力)】【DEF(物理防御力)】【INT(魔法攻撃力)】【RES(魔法防御力)】【AGL(素早さ)】だろう。

 最後の【ALL】は全ステータスが高いということか。

 第3のクエストで戦った【小領域の主】のようなステータスをしているという認識でいいのだろう。まさか、あのオーガナイトやナイトマジシャンがいるわけじゃないとは思うが、強敵には違いない。


 ライダーとゼクレテーア、オルバー、仕方なしにジャスティスが内容を確認し、互いに距離を取り合いながら、立て札を囲むように陣取った。

 しばしの沈黙。

 嵐の前の静けさのような緊張感のある空気の中、口を開いたのはライダーだった。


「……この試練を確実に突破する為には、互いの得意分野を知る必要がある。であれば、自己紹介が必要であろう?」


 その言葉に異を唱えるプレイヤーはいない。

「なら、まずは言い出した俺からだな」

 ニカッと笑みを浮かべる巨漢。オールバックにサングラスと威圧感のある見た目をしているが、その笑みは暖かい。


「俺の名はライダー。仲間内のギルドで一応、ギルドマスターをさせてもらっている。初級魔法は一通り使えるが、得意なのは光魔法だな」

 少し間を開けて、ライダーは続ける。

「チートは【詠唱(SPELL )破棄( BREAK)】。詠唱無しで魔法を使えるチートだ」

「ノータイムで魔法が使えるってわけか」

 チートの説明にレフトが反応した。楽しそうな笑みを浮かべているが、今は戦う相手じゃなくて味方だぞ。

「うむ。そういう認識で構わない」

「やろうと思えば、声を出さなくても使えるってことか?」

「それはーー」


「それに答える必要はありませんわ」


 答えようとしたライダーを、ゼクレテーアが遮った。

「情報共有としては充分でしょう」

「ただの興味本位だ」

「不用意な詮索はお止めいただきましょうか」

 どこからともなく現れた槍が、レフトの首に突きつけられる。

「テーア、その辺に」

「……かしこまりました」

 現れた時とは逆に、槍が掠れるように消えていく。


「わたくしはゼクレテーア。これがチートですわ」

 これとは、槍を消したことだろうか。初対面時のやり取りを踏まえれば、自分の姿も消せるはずだ。

 ちなみに、ふと気になって調べたところ、ゼクレテーアとはドイツ語で秘書の意味らしい。だから、OLのようなスーツを着ているのだろうか。

「このクエストをクリアするために協力はいたしますが、今後、我が主の不利となるようなことは認められませんわ」

 ライダーの従者ではあるようだが、その方針は違うらしい。


「じゃあ、次は俺が行くかな」

 不穏な空気を壊すように明るく声を上げたのは、オルバー。骨の鎧と毛皮のマントという野性味溢れる風貌の魔法使いだ。

「名前は、オルバーだ。悪いが、得意魔法とチートは伏せさせてもらう」

「名前だけ? ふざけているのですか?」

「一時的な協力関係だから、不要な情報は喋らない。あんたが言ったことだろ?」

「くっ……それは」

「でも、まぁ。信用は出来ないよな。だから、俺はーー」

 ゆっくりとある扉の前に移動して、オルバーは鷹揚に手を広げた。


「【ALL】の扉で構わないぜ?」


 ALL。つまり、全能力が高めのモンスター。

「ほう」「へえ」「なっ」

 ライダーとレフトが楽しそうに笑い、ゼクレテーアが頬を引きつらせる。ジャスティスは相棒の無謀な発言にも無反応だった。

「犠牲になるつもりですか?」

「そんなつもりは毛頭ないが、1人でもボスを倒せばクリアなんだから、おかしなことじゃないだろ?」

 やれやれと肩を竦めるオルバー。

「随分と相方を高く買っているのですね」

「期待してるのは相方じゃないけどな」

 オルバーと目が合った。

「というわけで、頼むぜ? ライト」

 それを誤魔化すわけでもなく、矢を向けてくる。

 ついでにゼクレテーアからは睨むような視線が向けられた。


「俺はライト。そこにいるレフトの付き添いで参加している戦士だ。というわけで、よろしくレフト」

 早口に名乗ってパス。

 ゼクレテーアの視線がレフトへと移る。チートの説明は飛ばしてしまったが、ゼクレテーアからの追求が怖かったからではない。断じて。


「俺は【黒の魔法使い】レフト。俺による、俺のための物語をクリアするため、このクエストは絶対にクリアしてやるよ」

 月の杖をくるりと回し、レフトはニヤリと笑みを浮かべた。

「チートについて教えていただけますか?」

「基本的にモンスター相手に使えるチートじゃないから、詳細は伏せさせてもらおうか。文句はないよな?」

「……いいでしょう」

 以前は対人用じゃないと言っていたが、モンスター相手に使うものでもないらしい。となると、ガイウスの仲間のような情報チートか、オルバーのような対戦時以外のチートか。

 そういえば、一緒に行動してるのにお互いにチート知らないんだな。


「最後はあなたですわよ。ジャスティス?」

「……名前以外の情報を出すつもりはない。俺は俺の正義に従い、やるべきことをやるだけだ」

 静かに呟いたのは、神父のような紅髪の男。

「それが通ると思ってますの?」

「俺は残った扉で構わない。それでも不満なら、勝手にやらせてもらうことになる」

 腰に届く長髪が風に揺れ、静かに鞘に手を添える。

「あなたもですか……!」

「よい、テーア」

「……ボス」

「なかなか個性的なメンバーのようだが、それくらいの方が仲間としては頼りがいがある」

 ガタイだけではなく、器も大きい男だ。ギルドマスターには必要な素質なのだろうか。


「では、扉を決めようか」

 完全に仕切り役となったライダーの視線がオルバーに向けられる。

「先程自己申告があったが、本当に【ALL】でよいの か?」

「あぁ、問題ない」

「ふむ。では次に戦士のライト」

 視線が俺に向けられる。

「他のメンバーが魔法使いであることを考え、一番苦手な【ATK(物理攻撃力)】に行ってもらいたいのだが、構わないかね?」

「はい、大丈夫です」

 魔法使い(MAGE)は物理防御力が低い職業だ。物理防御力が高い戦士(おれ)に任せようというライダーの判断は間違っていない。

「ふむ。では、次にーー」


「俺が【RES(魔法防御力)】に行ってやるよ」


 ライダーの言葉を遮るレフト。

「魔法使いの苦手分野ってなら、ここもだろ?」

「それはそうだが、構わないのかね?」

「チートを伏せたからな。これくらいの逆境は受け入れてやるよ」

 いや、お前普通に殴りに行きたいだけだろ。

 見た目はここにいる誰よりも魔法使いらしいが、戦い方は魔法+打撃戦なんだから。

 というか、オールバックの巨漢、槍使いのOL、弓使いの狩人、剣使いの神父とか、魔法使いらしからぬプレイヤーが多過ぎるだろ。


「ふむ。では残るは【DEF(物理防御力)】、【INT(魔法攻撃力)】、【AGL(素早さ)】の3つか。テーア、希望はあるかね」

「ボスより先に決めるなどおこがましいです。先にボスがお決めください」

 恭しく頭を下げるゼクレテーア。他のプレイヤーに対する狂犬っぷりが嘘のような忠犬ぶりだ。

「ならば、【AGL(素早さ)】にしようか。詠唱がない俺が一番有利であろう」

「それならば、わたくしは【INT(魔法攻撃力)】にいたしましょう」

「ふむ。一番簡単そうなものが残ったな。ジャスティス、依存はないか?」

「……好きにしろ」

 淡々と答えるジャスティス。

 これで、扉の選択は決まった。先陣を切ったオルバーに続いて、それぞれが扉の前へと向かっていく。


【ATK】ライト

【DEF】ジャスティス

【INT】ゼクレテーア

【RES】レフト

【AGL】ライダー

【ALL】オルバー


「では、また扉の向こうで会おう」

「えぇ」「あぁ」「おう」「……」

 ライダーの(げき)に思い思いに応じて、扉に触れる。カチリと鍵を回すような音がして、視界が暗転した。

 ……扉なのに開かないのかよ。


 どうも。今回は先輩が不在なんで銅が担当させてもらうっす。

 テーマは扉に書かれていたアルファベットについて……どう考えても先輩の案件なんすけど。ま、頼まれた以上はやるっすけど。

 まずは、【ATK(物理攻撃力)】と【DEF(物理防御力)】は【Attack(アタック)】と【Defense(ディフェンス)】で、どっちもスポーツ用語で攻撃と防御のことっすね。

 【INT(魔法攻撃力)】は【|Intelligenceインテリジェンス】で、知性の意味っすね。

 【RES(魔法防御力)】は【Resist(レジスト)】で、抵抗力的な意味あいっすね。

 最後の【AGL(素早さ)】は【agility】で、俊敏性みたいなことっすね。

 ゲームによっては違ったりもするみたいっすけど、このゲームでは上記の表記をしてるんで、よろしくお願いするっす。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ