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計画順調に進んでいましてよ

 皆様ご機嫌よう、アンジェリーナですわ。


 織姫様がサンプルとして、纏われてるご衣装を、大変お気に召された我が君様ですわよ。


「急に此方に来ましたからね。堅苦しい挨拶は要りません。それよりも織姫、素晴らしいですわ!もっと良く見せておくれ」


 少女の様にぱあっと花笑まれまして目がキラキラと………


 これで今日これからの話題は尽き無いと思われますわ。


 出来れば、私もお側でお聞きしたいのは山々なのですが、お客様がいらっしゃるので仕方ありませんね。


「何時もとても素敵なデザインですわ。ところで織姫様、お久しぶりに此方に参りましたので「若草の草原」でのお茶会にお招き致したいのですが…」


 私はにっこり微笑みながら、手にしたバスケットを少し掲げます。


 うふふ、私こう見えてお料理は少し自信がありますのよ。私の言葉にのり、我が君様もいらずらっぽく微笑みながら、織姫様にお声をかけられます。


「何時も忙しくしているのですからね。たまには私達に付き合いなさい。貴方も「背の君」会うのは久しぶりではなくて?」


 我が君様のお言葉に、少しお顔を赤らめて少し慌てたご様子の織姫様。


 そのお姿はさながら「恋する乙女」ですわね。


「まっ、女神様、おからかいに、なさらないで下さいませ。そ、それよりもお茶会でしたね、そう さ、参加させて頂きますわ」


 ふむ、このご様子なら何時からお逢いになられてないのかしら?


 私達時間の感覚は有るようで、無いものですから…近くても、遠距離恋愛?でも御結婚なされてるから………


 単身赴任かしら?私が結婚の不思議について考えておりましたら、お二方でお話がまとまっていられました。


「それは良かったわ。それで、今からですが、出れまして?織姫」


「え、ええ、お前達、今日はこれで作業は終わりにしますよ!誰か外の者にも伝えておくれ」

 

 うわわわーい!と皆さんのはしゃぐお声が上がった部屋の中、恥ずかしそうに、もじもじとなされながら織姫様がお聞きになられます。


「ア、アンジェリーナ?それで今から私もご一緒って、あの、あの人に知らせておりますの?」


「ええ、勿論、場所お借り致しますから…それが何か?」


 私の返事に織姫様は急に慌てたご様子で、


「な、ならば少しお時間を頂きたいのですが、あの人に会う時は、出会った時の衣でって、決めてるの」


 お顔を真っ赤にされてそう仰られましたので、お召しかえが終わられましてから、私達は出立致しましたの。


―――――館を出て、河原迄は涼しげな沙羅の木の並木通りが作られてますわ。


 目の前をお歩きになられてるお二方は、リボンとかレースのお話で持ちきりのご様子、私はというとこの先の計画を細部に至るまで、頭の中でシュミレーションしておりましたのよ。


 やがて、植えられてる木々が柳へと代わり足元が石畳から、淡く銀色に光を放っている、細かく砕かれた、月光石が広がる河原へとたどり着きました。


「さぁ、お前達仕事ですよ」


 これぞ織姫様!って感じの御召し物で天の川の畔でカチガラス達をお呼びになるご様子は誠に美しいですわ。目の保養で御座いましてよ。


「アーイ、オリヒメ サマァ」


 水面であちこちに散らばり、遊んでいたカチガラス達が集まり、対岸へ橋を掛けます。


 そういえば、地上の物語では、「一年に一度しか会えない」のですわよね、御二人様は…


 うーん?一年ってどれくらいなのかしら?地上なら花木が芽吹きやら花咲く様子で計れますけど、


 何時も咲いて、何時も散るを繰り返すここでは分かりませんわね。


 さあ、カチガラス達の橋を渡りますとそこは「若草の草原」、「彦星」様がお待ちになられてましたわ。


















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