暴れましたわ、黒歴史
皆様ご機嫌よう、アンジェリーナですわ
私はいよいよ!アリエノールさんと御対面する時が近づいていまして、胸が高鳴ってますの。ああー、大丈夫かしら?私……
「アンジェリーナ様ー、モウスグ クルー」
一足先にカチガラスが戻って参りましたよ。
あら!お姿が見えましたわ!さぁ練りに練ったセリフで上手くいくかしら?それで納得されれば、よろしいのですが……
天の川の水面をふわりと漂いながら、刻々と此方に参られます。そして私の目の前にお着きになられました。
「人の身ながら失礼します。私は聖魔導師のアリエノールと申し上げます」
「遠路遥々ようこそ、アリエノールさん、ここは「月光の河原」です。人の身ならばこの先は、進めませんよ」
にっこりと微笑んでお出迎え致しましたの。緊張のせいかアリエノールさんは固いご表情されてますわ。
「キレイ キレイ コノイロ キレイ」
いつの間にかアリエノールさんの足元にはカチガラス達が集まり、彼女のローブの裾をくわえたりして遊んでいます。その様子を二人で眺めてましたら、
『まぁ、可愛い』
思いもかけず私達は言葉を重ねてました。目が合い、クスクスと二人で笑います。
少し緊張が和らいだご様子になられたアリエノールさんは、
な、なんと!速球攻撃されてきました。
「お聞き致したい事が、「魔物」とは何か、何故に地上には出てくるのか、それを知りたくて参りました」
えっ、いきなり核心ですかー!思わず取り乱しそうになりましたが、ここは準備してきたあのセリフ!
「残念ですが、私からはお教えする事出来ません。神の秘事に関する事ですから」
ゼリーが秘事とはなんとも情けないのですが、この一言で納得して頂きましょう。
「秘事ですか……」
少しがっかりとなされたご様子のアリエノールさんにはお気の毒ですが、
仕方ありません。あまりにも情けない「魔物が出てくる理由」をお知りになられるよりはマシかと……
さぁ、そろそろお引き取り願わなければ、と思っていましたその時!
「アンジェリーナ、退屈でしたから私も此方に来てしまいましたわ」
「アー!メガミサマー、キレイ、メガミサマー」
カチガラスが私背後に飛んでゆきます。
はっ?何ですか?我が君様が此方に?
私は恐る恐る振り返りますと、そこにはにこやかにカチガラスと戯れる我が君様のお姿が!
唖然とする私、此方に来られる我が君様、息をお飲みになるアリエノールさん。
「アリエノール、息災で何よりですよ」
我が君様はアリエノールさんに優しく御言葉をお掛けになられます。慌ててアリエノールさんは礼をとられ、即座にお聞きになられます。
「女神様にお聞き致したい事が、よろしいでしょうか」
あっ、やめて下さいませ。その先は……しかし私が最早口を挟む余地は御座いませんでした。
「何でしょう?1つだけなら答えましょう」
我が君様の御言葉に、毅然とお顔をお上げになり、お聞きになられました。
「何故に地上に「魔物」が出るのでしょうか?」
その御言葉に対し我が君様は真剣にお答えになられます。
「それは、私の兄上がお取り寄せしておいたとっておきの私のゼリーを食べてしまったからです」
「…………はっ?ゼリー?」
アリエノールさんのお返事に重々しく頷かれる我が君様…………
あぁー!暴れてしましましたわー
さぁ、これからどうなるのか、もう私にはわかりませんことよー!




