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地球に乗って

作者: 新藤渡

三題噺[砂地][減らない][夜汽車]

地球には70億以上のヒトがいるようだ。

しかし、その中でも自分というのは1人しかいない。

世の中にはすべてのヒトが住めるくらいの土地がある。

しかし、その中でも日本、もっと言えば日本の一部にしか行ったことがない。

私は日本に住んでいるが、日本のごく一部しか知らず、世界のことなんて全く知らない。

だから、砂地と言われて思いつくものは、砂場か鳥取砂丘かエジプトくらいだ。

鳥取砂丘は名前からして砂の丘なのだろう。

エジプトは砂とピラミッドで構成されると考えている。

その程度しか知らない。

私より何倍も何十倍も広い(大きい)のに、私は私のことしか気にしていない。

家族のこと、学校のこと、将来のこと。

私は、これらのことが頭から離れず、目の前のことに手がつかなくなっている。

手がつかなくなっていることがまた気になりだして、さらに手がつかない。

こうして、すべきことができなくなっている。


だから、出かけてみた。

時間は夜。手段は徒歩。目的地は山の頂上。

頂上まで道は整備されているが、時間が時間なので人には会わない。

この世には自分一人しかいないように感じる。

これからどうなるのか、と考えながら歩いていると頂上に到達した。

そこから見渡す景色は、都会でも、田舎でもない街の明かりが見える。

この明かりには、人も生活を含んでいる。

明かりの数だけ、幸福や苦悩がある。

空を見上げると、たくさんの星が所狭しと顔を出している。

でも実際は、宇宙は広すぎて、星は一人寂しく過ごしている。

私はどうなるのだろうか。

わからない。

でも、この景色、この星空を見ると、どうでもいいことのように思える。

大きな地球、大きな宇宙。

自分はなんてちっぽけな存在なんだ。

自分のこれからについての悩みなんて、砂地の栄養不足の悩みに比べれば圧倒的に小さな問題だ。

星がこれまで、またこれから一人寂しく過ごしていく時間に比べれば私のつらい時間など圧倒的に短い。

でも。

圧倒的に小さくとも、短くとも、悩みが減ったり、なくなったりするわけじゃない。

それでも、ちっぽけな自分のちっぽけな悩みなんて、ちっぽけなものに思える。

そんなこと、どうでもいいや、と思える。

悩みで満たされていた頭の中に余裕ができる。

とりあえず今は目の前の問題を片付けよう。

減らない問題を一つずつ減らそう。


夜汽車はどこに行くのだろう。

そう思った人は、実際に乗ってみればいい。

乗っている人はどこに向かっているのか不安になる。

しかし夜汽車は、真っ暗闇の中を目的地まで堂々と進んでいく。

この際、不安は夜汽車に預けて、そこから見える景色を楽しもう。

地球はまるで、宇宙という夜を走る汽車だ。

不安に思う人々を乗せて、どこかへと向かっている。

私は、地球から見える景色を精一杯楽しむことにした。

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