空に手紙
「ないない」の続編です。
少しだけ成長しています(笑)
幼児の視点のため、ほとんどがひらがなです。
読みづらいとは思いますが、ご了承下さい。
よるの空をとんでいく。
ぼくのかみひこうき。
ママにとどけ、とおねがいする。
かみひこうきは、ママへの手がみ。
大すきなママへ。
まっくらな空。
ほしがひかってる。
あれはくもなのかな?
空がまっくらだと、くももまっくらなんだ。
大すきなママ。
おとうさんが、「ママは空のむこうにいる」って言ってた。
だから、ぼくは空に手がみをかいたんだ。
だけど。
手がみで折ったかみひこうきは、ちょこっととんだらおちちゃった。
空はすごくとおい。
どうすれば手がみはとどくんだろう?
ママ。
ママ。
ぼくは、ママに手がみをかいたんだよ?
ならったばかりの字を、いっしょうけんめいつかって、手がみをかいたんだ。
なのに。
とどかない。
空はすごくたかくて、ぼくがいっぱい手をのばしても、ぜんぜんとどかないんだ。
ぼくの手がとどかないから、手がみもとどかないのかな?
「これ、お前が書いたのか?」
つぎの日、おとうさんはぼくのかみひこうきをひろったみたい。
「ママに手紙を出したいのか?」
なんだかないちゃいそうなおとうさん。
目のなかがウルウルしてる。
どうすれば、ママに手がみをだせるの?
おとうさんはなにも言ってくれなかった。
けれど、ぽろってなみだをながしてた。
ぼくはママがいきてたころより、ちょっとおっきくなって、ちょっとおとなになった。
だから、ほんとはわかってるんだ。
もう、ママにあえないこと。
手がみをよんでもらえないこと。
でも。
ぼくは、ぼくのきもちをママに伝えたいんだ。
どうすればいいんだろう?
どうすればあの空にとどくんだろう?
おとうさんといっしょに、おはかまいりにいった。
おせんこうに火をつけて、おとうさんはおはかにそれをおいた。
けむりがモクモクあがってく。
おとうさんは、むずかしそうなかおをして、なんかおいのりしてる。
モクモクモクモク。
けむりが空にとんでいく。
ぼくはおとうさんのよこで、マッチぼうに火をつけた。
ぽっとついた火が、めらめらもえて、ちょっとこわかった。
マッチぼうのさきっぽをもって、手がみにその火をつける。
ボウボウもえる手がみが、けむりをモクモクあげていた。
ぼくのきもちは、けむりにのって、空にとんでいくんだ。
ママへ。
おげんきですか?
ぼくはげんきです。
ぼくは今、しょうがっこうで、いっぱいおべんきょうをしています。
たのしいまい日です。
ぼくは、おとうさんとやくそくしました。
いっぱいがんばって、ママのぶんもいきるって。
だから、空のむこうで、ぼくをみていてください。
いつか、ママにあえる日をたのしみにしています。
ママ。
ママ。
ぼくの手がみ、とどいた?
06/08/15投稿作品。
調子ぶっこいて書いた続編です(笑)
お読みいただき、ありがとうございました!




