表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
杉並・中野連続毒殺事件 〜佐久間警部の友人〜  作者: 佐久間元三
小さな繋がり
3/20

再捜査

 被害者を科捜研に委ねた佐久間たちは、一旦捜査一課に戻ることにした。


「確かに、佐久間警部が推薦するだけのことはあると思います。現場検証で、ああ言い切れるとは、感服しますな」


「奴が言い切る時は、大抵毒薬の見当が付いている。氏原が言う通り、胃の中で何か見つかると思うよ」


 捜査一課に戻った佐久間は、一課長に捜査状況を中間報告した。


「戻ったか。実は交通捜査係から、気になる情報がつい先程入ったよ」


「気になる情報ですか?」


「三月二十一日に、東高円寺駅近くで発生した交通事故は知っているな?」


「はい。交通捜査係が単独事故処理をしたと部下から報告受けています」


「交通捜査係が念のため、保険金の流れを保険会社に確認してみたら、受け取りが身内でないんだ」


「誰が保険金を受け取るんですか?」


「同地域で杏奈というスナックを経営するママこと、大島可奈子が受け取り人だ」


「確かに妙ですね。保険会社の契約は被害者自身で行い、受け取りをママにしているんでしょうか?」


「それが、大島可奈子自ら、被害者の三船敏朗に保険金を掛けたらしい。保険会社も不審に思い、保留しているそうだ」


「保険金殺人なら、事故車のどこかに証拠が隠れているかもしれません。まだ、所轄署駐車場に保管されていると思いますから、連絡を入れ、鑑識官を派遣しましょう」


 佐久間は、その場で所轄署に連絡を入れ事故車の厳重保管を依頼し、一般車を保管駐車場から遠ざける指示をした。


 同時に、捜査一課内の鑑識官五名を、直ちに再捜査検証に派遣した。


「鑑識官に告ぐ。被害者の三船敏朗は痴呆症の疑いがあったはずだ。単なる持病による事故なのか、それ以外の証拠が他にあるのか疑って調べてくれ。もし、持病がなく、痴呆症に見せかける為の薬などの証拠があるのか、現場検証から何としてもヒントだけでも掴んでくれ」


「薬物反応が出ると想定して、再度必要な機材を投入して臨みます」


「課長。無いとは思いますが交通事故と今回の事件について、繋がりがあった場合は、特別捜査本部を設置したいのですが」


「準備しておこう」


「それでは、科捜研に行って結果を聞いてきます」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ