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奈良 飛鳥寺

 早く最終章に移りたいと思うが、まだ二つほどお寺を紹介したいと思う。最終章はしっかりした主張のある章としてまとめたいと思う。今回は飛鳥寺である。飛鳥寺は蘇我氏の氏寺の法興寺が元である。ここには飛鳥大仏が座している。

 筆者のような信心深いんだが、不信心だか分からぬ人間が、またも神と仏の境について話すことになるかもしれない。蘇我氏が飛鳥大仏を祀っていた時に、これを仏と見ていたか、神と見ていたかという問題があると思う。

 筆者はこれを神と見ていたのだと思う。当時、仏のことを真に理解していたのはおそらく聖徳太子だけだったと思う。ここでは聖徳太子論を展開すべきかもしれないが、筆者の考えがまとまらぬ故、自重することとしたい。



 飛鳥大仏はあの巨大ヒーローの初代のような顔をしている。だからこれはウルトラ大仏である。それも、例のヒーローは三回マスクを変えているが、一番始めの吊り上がった目のタイプの顔に似ている。そう考えたら、蘇我氏がこの飛鳥大仏に期待していたものが分かった気がした。

 暴論極まりないが、まさにそれだったのだ。蘇我氏は宇宙からやってきたあの巨人と同じことを期待していたのだろう。仏の慈悲とか、成仏とか、浄土とか、そういう話ではないのである。敵を倒す強力な力を持ったヒーローであるウルトラ大仏を求めていたのである。そして、それを蘇我氏の守護神にすること。

 考えてみればそのドラマで、ある中近東の砂漠に幻の街があって、そのヒーローが神として祀られていたという話があった。製作者側はまったく意識していなかったのは当然だが、あれはまさにウルトラ大仏だったわけである。

 すると、あの大きなクワガタの怪獣はまさに蘇我氏が恐れていたもののことではないか。

 ところで、蘇我氏は何を恐れていたのだろう。いや、そんなことよりも、筆者はどういう訳か、そのヒーローものの話をメインに書きたい気がしてきた。筆者はあのシリーズ、子供の頃から沢山見ているので、無性に血が騒ぐというものだ。

 まあ、それはあまりにもエッセイのテーマに外れるので自重することとしたい。

 ちなみに筆者はウルトラ大仏説を結構真面目に考えている。イメージの問題だが、蘇我氏にとっては宇宙からやってきた守護神に近い感覚だったのではないか。

 継ぎ接ぎだらけで、一見すると、たい焼きや人形焼きに似た印象を受ける三メートルぐらいの釈迦如来座像である。これまで、顔の上半分と手だけが飛鳥時代のものと考えられていたが、最近の研究で全身が飛鳥時代のものである可能性が出てきたという。



 それはともかく、明日香(飛鳥)というは何ともパワースポットだらけなところだ。一見すると田んぼだらけのどかな田舎なだけに思えるが、奇石が転がっていたり、古墳がぼこぼこしていて、すぐに妙な気分になり始める。大袈裟かもしれないが、地面からパワーが込み上げてくるような感じがある。

 筆者は古墳めぐりは趣味ではないが、それでも明日香の高松塚古墳と、纒向の箸墓古墳は訪れたことがある。

 正直申し上げるとそんなに面白くもなかったが、群馬の友人は古墳めぐりが三度の飯よりも大好きで、遺跡発掘のアルバイトをしていた。そう言う方もいるのだから、あなたも試しに古墳を訪れてみればどうだろうか。そう。このエッセイを読まれているあなたです。

 高松塚古墳は外からしか見ることができないので、何だか、不自然な丘みたいなところだな、と思ったぐらいだった。

 レンタサイクルを走らせていた時、天武・持統陵が見えてきて「おおっ!」と思わず、食い入るように見たら、まさにその時、歩道の縁が浮き上がってきていて、いつの間にか、その細い縁の上を自転車で走っていた。大変に危なかった。こういうこともあるから、自転車を運転する時はちゃんと足元を見ないといけない。筆者の失敗を知って頂いて、皆様のより良い安全が実現したら、と心から思う。



 途中に、亀石というのがあって、すごく可愛かったからよく覚えている。「ああ、退屈だなぁ」という感じで人を待っている。訪れたら、退屈を紛らわしてあげようと思う。何しろ千年以上、あそこにいるのだろうから。

 明日香村に訪れたら、是非とも、亀石を可愛がってあげて下さいと思うのである。

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