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山形 立石寺

 本エッセイは三期に分けて投稿するつもりでいたが、華厳思想がややこしすぎた為に休息を取りたくなったので、四期に分けることにしたい。したがって、三度目の休載期間に入りたいと思う。

 三期の最後を飾るのは、立石寺である。山寺というやつである。なんで最後が山寺なのだろう。それはつまり難しい話を書きたくないからである。

 山寺は、芭蕉が訪れたことで有名である。


  (しずけ)さや 岩にしみ入る 蝉の声


 こんな句もあるではないか。訪れてみると驚くのは、このお寺が山の上にあるだけでなく、その山に巨石がごろごろと転がっていることである。

 岩にしみ入るという言葉を何気なく聞いていた僕であるが、この山寺とは実は岩のお寺だったのである。よく考えてみると名前も立石寺。

 極め付けはとんがった岩の先に際どく乗った祠のようなもの。あれが何かは分からないが……よく落ちないものだと思う。

 立石寺は山を登るのが大変に疲れた。羽黒山を登って体を鍛えたはずなのに、山寺は山寺でひどく堪えたものである。

 上にたどり着くと舞台が合って、実に良い眺めである。芭蕉もこの景色を見たのだろう。やけに芭蕉に親近感が湧いてきたのはこの時のことだ。ここは一つ、自分も句を作ってみようと思ったが、しばらく考えても、まったく思い浮かばなかった。



 それにしても参道のお店で食べた山形の板そばは実に美味しかった。お蕎麦なのに実に太く、ちょっとしたうどんのようだが、食べると実に清々しく風味豊かなお蕎麦である。これが大きな板にたっぷりと盛られてくるのであるが、案外、ぺろりと食べられてしまう。

 さらに芋煮も注文した。しょうゆ味の芋煮である。里芋が滑らかでクリーミーで実に美味しかった。牛肉も柔らかくて風味も豊かだった。山形は美味の宝庫だと思う。



 山寺を後にしながら、今度は米沢へ向かったのだが、上杉神社はそんなに感動しなかった。結婚式の後だったのか、新郎新婦が写真撮影をしていたので、神社には何も願っていない。ただ高速で二拍手しただけである。

 山形の旅は色々なことを考えさせてくれる旅だった。出羽三山では、大雨の中、雨宿りをさせてくれて、頼んでもいない色々な料理を次から次へと出してくれたお店のおじさん、おばさん、おばあちゃんが懐かしい。一時間ほど色んな話をしてくれて、本当にありがたかった。あの時は何しろバスは来ないし、大雨は降るし、山は冷え込んできて、居場所もなく心細かったのだから。

 山形の旅といったら、優しい人にお世話になりっぱなしの旅だった。またいつかあの場所に訪れたいと思う。

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