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埼玉 氷川神社

 筆者はまた埼玉のことを書きたくなった。埼玉の神社というとまず第一に秩父の三峰神社のことを書くべきであろうが、おじいちゃん、おばあちゃんに連れられて三峰神社に訪れたのは小さい頃だったので、今ではあまり覚えていないのである。そこで三峰神社のことを書く訳にも行かず、他に何かあったかと考えた時に思い出したのは大宮にある氷川神社のことである。

 氷川神社の総本社が埼玉の大宮にあるというのは、埼玉県民以外の県民にとっては意外なことだろう。いや、埼玉県民でさえもあまり知らない事実なのかもしれない。ちなみに氷川神社のある大宮公園には子供用の遊園地と無料の小規模な動物園と大きな池と埼玉県立の博物館がある。さくっと休日に赴くにはちょうど良いのである。

 しかし、氷川神社とは何なのか、よくは知らない。今少し調べてみた。氷川信仰はスサノオの信仰らしいのだが、説明を読んでもよく分からない。何が何だかちんぷんかんぷんである。しかし氷川神社とは埼玉・東京の至るところにある神社である。その総本社というのだからすごいではないか。ウィキペディアの情報をこの場で紹介してもしょうがないので、氷川神社についてはこれぐらいしか語れない。



 しかし、それでは今回のエッセイがあまりにも短いものになってしまうので、埼玉の話ということでひとつ。埼玉にやけに多いのが板碑である。これは石の石柱のようなものであるが、中世の供養塔だそうである。筆者は石造物調査法みたいな授業を受けたことがあるが、その時にやったのが板碑だったか庚申塔だったかも覚えていない。筆者はそういう類の人間である。昨日やったことは今日忘れることにしている。

 とにかく、そこに彫りつけてある文字ではない文字を読んで、紙に模写をしてメモを取るだけの作業である。まあ表面はゴツゴツしていてそこに彫られている漢字は大して読めない。読めても文字を略してあったりして何が何だか分からない。と言ってもミミズののたくったようなくずし字よりは解読しやすかったかもしれない。どうせ年号と名前が彫られていたり、お決まりの文句が書かれているのだった。例えば「南無阿弥陀仏」とか。真ん中には梵字が記されている場合もある。阿弥陀の梵字であるキリークなどが彫られているのだ。

 書いている内にこれはどうも板碑らしい、という気がしてきた。これに対して庚申塔というのは庚申信仰というものが江戸時代に流行って建てられるようになったものである。六十日に一度の庚申の日に寝ると、体内の虫が天に昇って、その人の悪事を天帝に伝えるというので、庚申の日は寝ないとかいうものである。庚申塔には青面金剛という神や「見ざる、聞かざる、言わざる」の三猿が彫られている場合が多いのだった。

 してみると、引っこ抜かれた板碑をひっくり返したりして、そこに何が書かれているのか、時間をかけて観察をするというこの作業はどういう意味があったかというと微妙だが、少しは民間信仰に触れられたというものではないか。

 皆さまも町を歩いていて、地蔵らしくもない石造物を見つけたら、これは何かしら、何が彫られているのかしら、と観察してみると面白いかもしれない。まず長い帽子をかぶったような人が彫られていたら、それはおそらく青面金剛である。梵字が彫られていたら、それがキリークなのかバクなのかなど考えてみると良い。しかし、楽しめるかどうかはまったく保証できない。何しろ筆者本人が石造物めぐりなどしたことがないのだから。

 

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