チュウニビョウ?
彼の意識が再び覚醒したのはその後4時間ほど経ってからだった。
「ぅうっ。」
時間が経ったせいかのどからは唸るようなかすれた声が僅かにこぼれた。
「おはよー。」
ちらりと声がした方見るとあのテキトーそうな男が再びベッドの横を訪れていた。
(俺はなんでこんなところにいるんだ?)
そう聞きたかったのにやはり声は意味をなさず、呻くような声しか出ない。
「首は少し動かせるのかなー?」
男の言葉に今度は首を僅かに動かして答える。
「おっけー。じゃあ君、自分の名前は分かるかなー?」
首を縦に振る。
(神崎優斗だ!)
「じゃ、何でここにいるか覚えてる?」
今度は少し首を傾げる。
(俺、何で身体が動かないんだ?)
もう一度首を横にふる。
「うーん、結論から言っちゃうと、君は前代未聞の飛行機事故に巻き込まれちゃったんだよね~。」
(飛行機事故…。)
「ぅあぁぁぁ。」
その単語に記憶が一気にフラッシュバックする。
まるで今この瞬間に事故に合っているように。
「思い出したか。はーい、事故はもう終わったよー。君は無事生きてるよー。」
パニックになりかかった意識が徐々に引き戻される。
初めてこの男ののんきなしゃべり方に感謝した。
もしかしたらある程度予想してのことだったのかもしれない。
俺が落ち着いて来ると男は別人じゃないかと思うほど表情を引き締めた。
「多分我々は君の人生をメチャクチャにした。謝ってすむことではないがどうか聞いてほしい。」
どういうことだ。
命を救ってくれた恩人ではないか。
「まず、君は世間的には死んだ人間ということで公表させてもらってる。」
(どういうことだよ?俺はいきてるぞ!)
思わず声を出すが言葉にはならなかった。
「君が遭遇した飛行機事故は一般人には実在しないと思われている魔法が原因で、僕たち裏世界の人間のものなんだ。万が一にもバレるとこまる。」
(…………中二病、金持ち集団?)
やはり言葉にはならなかった。




