メザメ
目が覚めて見えたものは白い天井、感じたものは全身の鈍い痛みだった。
(喉が渇いた…)
水を要求使用としたが声が出ない。
声を出そうとわずかな奮闘をしているとのんびりと近づく足音が聞こえてきた。
足音は一人のようだ。
「おや?もう気づいたのか…。予定してたよりも早いな。」
寝ているベッドの横まできたのは20代半ばくらいに見える、若干痩せ気味だが顔の整った男だった。
「おーい。意識はハッキリしてるのかな?」
(ハッキリしてるが状況がわからない。)
いいたかった言葉は口からはでず魚のように口をパクパクと動かすだけに終わる。
「声がでないのか。まぁ、1週間も生死をさ迷った後容態が安定するまで2週間も寝てたからね~。」
まるで昨日の晩御飯は魚のムニエルだったとでも言うような軽さでいわれる。
「水はまだだめだよー。飲み込む能力を確認してからだ。…おっと、別の患者のところにいく時間だ。何かあったら、うーん、まぁどうにかして呼んでくれ~。」
(いや、最後雑すぎないか!?って、ホントにそのまま行くのか?…)
そこまで思考すると彼の意識は再び眠りへと誘われていった。
(そういえば何か大事なこと、忘れて、た、気が、する。)




