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月華の行方


「とりあえずギルドにいきましょう!そこからです!」


「ギルド・・・ってなに??」


いきなり、ギルドなんて単語をつかわれてもおれにはさっぱりだ。

そりゃあ、ギルドと言えばオンラインゲームとかで良く聞くような名前だが、実際に意味はゲームによってまちまちだ。


「ギルドってのは、まぁドラ◯エで言うルイー◯の酒場みたいものと、パーティを組むのと2つの機能を兼ね備えた、いわゆる冒険者御用達みたいな場所ですね。この異世界ではあらゆるところにギルドは設置されてます。」


「いや!!いろいろと例の出し方がだめ!」


「そうですか?ル◯ージの酒場ではもう通じない年頃なんですか・・・」


「いやいや!智癒さんあんたおれと年あんま変わんねーし!それでなんで緑帽子の配管工事のおっさんが酒場やってんだよ!!?」


「まぁ、細かいことはどうでもいいのです。さぁ、ギルドへ向かいましょう。そこにいないとパーティの登録ができませんので」


智癒さんほんとだんだん性格変わってないですか・・・?

あの優しくおっとりした智癒さんは一体どこへ・・・

おれと、柿音がすっかり目を点にしてほうけていると二人を引っ張るようにして連れ出そうとするので、慌ててギルドへ向かうのだった。


「ところでギルドはどこに?」


ギルドが至る所にあると言われていてもここの近くにあるのかなんてわからない。

近いところに向かうのか、遠いところに向かうのか、たったその事だけでモチベーションは変わってしまうのだ。

まぁ、おれたちはここからずっと遠くに向かおうとしてるのであるけど・・・


「ギルドはこのサンクルーム通りにもあるんですよ。この通りは異世界に入り込んできた人がよく訪れる始まりの街ですから冒険に必要なものはだいたい揃っちゃうのです。」


なるほど、たしかにあたりを見回すと金ピカに輝く剣やら切れ味が良さそうなナイフやらちょっとはそこらで砕かれそうにない盾など様々なものが通りにならんでるはないか。


ここはまさに冒険者のための街といって間違いはないだろう。

ならば、ここで買い揃えられるものは揃えたい。

しかし、一番重要で緊急事態が一つある。


「金が・・・ない!!?」


お金・・・又の名を通貨。元の世界でも一番大事なものだと少なくともおれは信じている。

金がないとはまさにライフラインを断たれているも同然だ。


「ふふっ・・・お金なら私が貸してあげますよ?なんならこれは貸しってことで体で支払ってくれても・・・」


「いや、金の貸し借りは絶対ダメだ。」


そんなことしたら冒険者の名が泣いてしまう。おれは女に金を貸してもらうような紐には決してなりたくはないのだ。

貢いでくれるのはOKだけどね!!

いつでも待ってます!!


「そんなぁ・・・」


そういう智癒さんは少し残念そうだ。

金を貸してくれるのに断ったら残念がるなんて!!

やっぱり智癒さんは天使のままだ!!


「あれ??そういやだれかわすれているような・・・?」


そういや、この話が始まってから一度も会話に参加せず姿すら見ていないのが1人いたような....


「あっ!!?柿音!!?」


「柿音さんならきっとあの店にいますよ」


智癒さんが指をさした店は、おれが目に入っていた店と比べると明らかに異様な店だった。

まず・・・店の全貌が見えない。黒いカーテンで店全体を包んであり何が販売されてるのかもわからない佇まいだ。

そしてなによりも雰囲気が暗い。

あんな店に行くのはよっぽどイかれたカルト宗教の信者か、怪しい研究員ぐらいなものだろう。


だが・・・殺害予告までされるほど評価が地に落ちているおれにとっては一刻も早く好感度を上げたいものだ。

恐らく、おれの使える催眠術もとい催眠誘導はありそうな選択肢の中で選べる能力だからHなことが起こってしまいそうな雰囲気を出すこと事態が重要なのだ。

いきなり、おっぱ◯を見せてっといっても意味がないのだ。相手がおっぱ◯を見せてくれるぐらいの好感度を上げることが重要なのだ。

今の柿音がおっぱ◯を見せてくれる状況にあるとは到底思えない。むしろおれの血の雨が見れそうだ。


おれは、意を決してその禍々しい雰囲気がただよう店に入ったのであった。


「し・・・失礼しまーす・・・」


意を決して入った店は更に不気味な店であった。ドクロの首飾りなど髪の毛で作ったミサンガなど普通の明るい商売には決して並ばない品がずらりと並んでいる。

いや・・・それにしても・・・


「思った以上に・・・広い・・・」


黒いカーテンか店をおおいかくされて全貌が見えなかったのであったがいざ店の中にあると様々なものが売られているのだ。


いかんいかん。こんな趣味の悪いものばかり見ていては目に毒だ。

人の生き血で作られた栄養剤なんていう商品が見えたような気がしたが気にしたら負けなのだ。

とにかく・・・柿音を探さないと・・

・・・いない。

周りにはむさいおっさんや気弱そうな若者たちばかりなのでこの中であんな華奢な女の子が1人いたら目立つはずだ。


店の中は薄暗く小さなランプがポツポツと置いてあるだけなのであまり人の顔が見えにくいので探すのも一苦労だ。


「・・・もう諦めちゃおかな・・・」


今からこの店で一緒に過ごして好感度が上がりそうな情景がおもいうかばない。

これなら道端にいるチンピラを雇って月華を襲わせているところにさっそうとおれが現れてやっつける方がまだ好感度が上がりそうだ。


帰るか・・・


っと思いUターンした瞬間だ。


「いたっ!」


なにかにつまずいた衝撃が走った。

おれは慌ててその方向を確認すると下に続く階段にはまったらしい。

・・・階段??


もしかしたらこの店には地下1階があるのかもしれない。

おれは階段を降りてみる。


そこには・・・なにやら実験室のようなものが広がっていた。

バイ◯ハザードでゾンビを収納していたカプセルのようなものに緑色の液体が詰められている。


そして、奥を見ると黒マントをしたいかにもインチキ臭い怪しげな男が緑色の液体をポーションなどで使われる瓶に詰めてるのを販売する異様な光景だった。


「はい!!幸せになれるハッピーポーション。いまならたったの1000ベル!!!お安いよお安いよ!今日は限定で50品だけだよ!!」


いかにも、怪しげな薬品だがそれを群がって男たちがその商品を群がって争奪する異様な風景。スーパーのタイムセールでもこれほど白熱した光景を見たことがない。


え・・・たしか普通のポーションってたしか店では30ベルとかで売っていなかった??

なんでこんなに人気なの・・・?

もはや殺してでも奪うと目で語っている。

その中で小さく人の足の間をすり抜ける影が1人見えた。

その影はさっそうと人と人の間を潜り抜けとうとう先頭集団に並ぶと3つほど買い占めて戻ってきた。


こんな小さい影は・・・


まさに見間違いようがない。

柿音だ。

ハッピーポーションを3つも手に入れご満悦の表情だ。


・・・おれこの子ハーレムに加えちゃって大丈夫なんですか!!?


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