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智癒のトラウマ

まだまだ冒険するのは先のようです(笑)

「これ、智癒さんが??」


「いえ。私はあんまり料理できないからいつも 月華ちゃんに作ってもらってるのよ」


え??おれの中で2つの衝撃がほとばしる。智癒さんなんてどうみても料理できそうなキャラNo.1の見た目をしているのに料理が出来なくて、どうみても料理できなさそうなキャラNo.1の見た目の柿音が作れるらしい。


「やっぱり異世界は不思議だ...」


「..........変なこと考えるなら葛城の分の夕食はなし....」


「うそうそ!!!とってもおいしそうだぜ!いっただきまーす!!」


もうこれ以上、落ちる好感度があるのか微妙だけど好感度は落ちないようにするべきだ。

おれはまず卵焼きに挑戦する。

卵焼きとはすごいものだ。卵焼きのおいしさだけで料理の上手さがわかるって昔だれかが言ってたような気がする。


おれは卵焼きを勢いよく口に運ぶ。

口に広がってくるのは...甘さ...辛さ...しょっぱさ....毒味......


その時、おれの視界は真っ暗になった。

あれ...おれはいったい.....


さらば異世界。神様に復讐できてすまなかったな...やり残しがあるとしたら..Hなことが..

したかった.......


「眠さん!眠さん!」


だれかがおれの名前を呼んでいる気がしたがもはやその声はおれにはとどかない...


ん...?

なにやら暖かい光のようなものが当たっている気がする...

あぁ...安らぐ。


「うわっ!?」


おれは慌てて失った意識を元に戻した。

....今のは一体...


「よかった..無事で...」


となりには智癒さんが安堵した表情で座っていた。

手には...光のようなものがやどっている。


「もしかして..智癒さんが..」


「私の能力は医療魔法。つまり身体に異常があったら回復する魔法なのです」


そうだったのか...!


「ところでなぜ..おれは倒れてたんだ?」


余りの出来事に記憶がすっぽり抜けてしまっている。なにやら酷い目にあった気が...


「料理ですよ。いつも男の人が入ってくるとこうなるんですよ...なにやら男の人にはダメな食べ物があるんですかねぇ...」


そういやそうだった!

たしかおれは目玉焼きを食べたら...


「........ちっ.....」


柿音に目を合わせると、運のいいやつめっていう表情が、顔で物語っていた。


なるほど...そういうことをしておれは早く出て行かそうとしてるんだな!

だが...おれは負けん!


「それで...そろそろこの世界の話をしていいですか?」


すっかりそのことを忘れていた!

おれは顔を智癒さんのほうに向き直した。


「了解!聞かしてくれ」


「はい。まず最初に神様に倒しにこいっていわれたでしょ?」


「あぁ。たしかに...」


「神様はここからだいぶ先にある城の所でいつも待ち構えてるんです。神様を倒したら2つ選択肢が与えられます。願いを一つ叶えてもらってこの世界にいるか、それともここでの記憶を全て失くして現実世界に戻るかの2つです」


「実際に神様を倒したやつなんているのか?」


「はい。えっと..現在までの攻略者は合計7人。その中で4人は元の世界に帰ったのでこの世界に残っているのは現在3人ですね。」


3人..やはり少ない。簡単に攻略できるものではないのだろう。


「それに最近は挑戦者自体が少ないですからね。もう他の人は大体この街付近で生活してる人が多いです。この世界なら元の世界より楽に生活しやすいですからね」


「智癒さんは挑んだことないのか?」


「まだ私がこの世界にに入った当初は帰りたくて必死に頑張っていましたけど今はもう諦めてしちゃったんですよ...」


そうだったのか...それに智癒さんはその時のことを余り話したそうにない。話題を変えなきゃ..


「それに私は弱いからチームの足手まといになりますし...」


「それはない!!」


それだけは断言できる。


「智癒さんとまだ出会って間もないおれでもわかる!意識を失ったおれは一瞬で元に戻した智癒さんが足手まといになるなんてありえない!」


智癒さんは...自分に自信がないんだ。

恐らく過去になにかあるのだろう。

だから戻りたくても戻りたいなんていえないのだ。


「諦めるっていった時、智癒さんの目は諦めてなんかいなかった。智癒さんは帰りたいはずだ!」


おれは、もうここで決意を新たにする。

もう、こんな街で迷ってなんかいられない。


「智癒さん!柿音!一緒に旅をしよう!神様をぶっ殺しに!!」


智癒さんはこんな街で初心者のサポート役なんてやっている人じゃないんだ。

おれが...救ってやるんだ!


「....い....いや.......嫌なんです!!!」


智癒さんは夕食を囲んでいたテーブルから飛び出し自分の部屋に逃げ出した。

その目には....一筋の涙が溢れていたのであった。

女の子を泣かすなんておれは最低の男だ。だが、ここで逃げ出すのはもっと最低な男だ!!


おれは智癒さんの後をつける。

智癒さんの心はおれが直してやるんだ!!


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