智癒の静かな戦い
海は・・次かなw
「で・・・・できた!!!!」
「やったたなぁ!やったなぁ!!」
二人の歓声のようなものが聞こえて目が覚めた。
俺は元々寝起きはいい方ではない。
むしろ、悪いといっていいだろう。
だめだ。まだ眠い・・
今日は二度寝しよーぜ!あんだけ疲れてたじゃねーか!ちょっとくらいいいだろ!!悪魔が囁く。この誘惑はやばい、耐えられない。
だめだよ!そんなことしたら女の子達の水着は見られないよ!天使が囁く。
なんかもう天使も色々とダメな気がするが俺を起こそうとする気持ちは変わらないはず、たぶん。
二つの究極の選択肢が頭をよぎる。
そして、結論がでた。
あばよ、悪魔。俺は女の子の水着が見たいんだ。
そう言って、おれは無理やり頭を回転させる。
そして、死んだ魚のような目で部屋をでる。
あばよ、布団。
俺は今日はお前に勝ったんだぜ・・
ダイニングの方にいけば皆全員起きていた。
約2名の目は死んでいたが。
「柿音!どうしたんだ!」
「・・へへ・・やったよ・・やってやりましたよ・・」
だめだ、もうキャラが崩壊している。
目は完全に死んでいて声は虚ろ。
自慢の髪もボサボサだ。
「ついに、柿音が完成させたんやで・・」
遊実も、疲れの色が見えないがまだ柿音よりは元気があるようだ。
「え!!ついに、あの攻撃が完成したのか!」
先日、俺たちがナークに襲われていた時に遊実が放った技。
あの技は確実にこれから先の冒険でも役に立つことになるだろう。
あれをこの短時間でものにしたんか!
「・・とりあえず・・寝さ・・せて・・・」
柿音は、真っ白に燃え尽きたように力尽きた。寝ているというよりは気絶というほうが近いだろう。
気絶した柿音はもうこれから天に召されるような安からな表情をしていた。
あばよ、柿音お前のことは忘れないぜ・・!
「まぁ、たぶん柿音は数時間したら起きると思うんやで。それまでの間、一足先に海に行っとき。うちはそこまでは案内してそっからまた家もどって柿音が戻り次第向かうさかい」
「ありがとう!」
遊実の善良な行動に感謝の念を送った。
「じゃあ、海向かうで!」
「「おう!!!!」」
俺たちの夏はまだ始まったばかりだ!!!
ー....ー....ー....ー....
海に向かうと、まず案内されたのは水着がレンタルできる場所だ。
ここは、スクール水着からちょっとアダルティな水着までなんでも備えてある。
店内で、サイズ違いも含めると恐らく200着近い水着が所狭しと並べられていた。
私・・智癒は最大に悩んでいた。
人生最大の悩みであっても過言ではないと思う。
「どういうのでいけばいいんだろう・・」
眠くんのライバルとしては、まぁ 剣華ちゃんは論外だし外すとして月華ちゃんは侮れない。
前までは、眠くんを拒絶にも近く拒んでいたのだがどうも最近悪くはないかも・・・・?
て、表情でいるのを私は見逃していない。
なんせ月華ちゃんは確かに胸は私には遥かに及ばない。
だが、スレンダーを地でいっているのだ。
きゅっとしたお尻や引き締まったお腹・・・・
羨ましい。正直むちゃくちゃうらやましい。
私は胸の点では月華ちゃんに負けることはないだろう。(大事な事なので2回いいました)
だが、お腹周りやお尻の引き締まりなどは負けているのだ。
もし、このまま月華ちゃんもライバルになるなら強力な敵となるだろう。
そして・・私の宿敵とも言える遊実さん。
唯一、このパーティで誇れる巨乳属性というのをさらに上をいく形で現れた巨乳の持ち主だ。
あの人も・・ライバルとなれば強力だ。
このまま全員がライバルになればスレンダー枠は月華ちゃんに盗られ、巨乳枠は遊実さんに盗られることになる。
眠くんが遊実さんの胸に夢中になっている時の眠くんの顔はもう二度と見たくない。
あのだらしなくにやけきった顔・・
あんな顔を見せてもいいのは私だけのはずなのに!!
そうなれば、この水着選びというのはこの先の運命を左右するレベルなのだ。
巨乳では負けた・・スレンダーでも負けた・・
なら、セクシー枠で勝負よ!!
私は数ある水着の中から露出が激しい水着を選んでいく。
一番最初に目が行ったのはピンクの水着。でも・・これは・・これは・・
もはや紐じゃない!!!
その水着は水着というのはあまりにも隠せていなくただの紐といっても過言ではない。
本当に大事な部分だけは唯一隠せているが胸はもう先っぽ以外は全く隠れていない。
こんなの着て眠くんの前に出たら・・出たら・・
「ただの痴女だって思われてしまう・・」
痴女は、ダメなのだ。断じて。
セクシーでいけないとならないのだ。
痴女とセクシーの間の区分というのはなかなか難しい。
ちょっとでもアウトに寄ると痴女になってしまう恐れがあるのだ。
かといって、全く攻めることができずこのまま魅力を眠くんに全く魅せられなかったら他の子に盗られてしまう可能性だってある。
大胆に、かつ痴女にならないように。
私の水着選びはすでに30分が経過しつつあった。
恐らくもうとっくに眠くんは先に待っているだろう。
だが、ここで焦ってはいけない。
一瞬の焦りが命取りなのだ。
さすがに、紐はダメだ。
私は思い直した。
だが、なかなかいいのが決まらない。
ビキニという選択もありっちゃありだ。
だが、もう少し攻めたい。
・・これか?
私が次に手に取ったやつは先ほどの紐のようにいろんな部分がはみ出るほどではない。
貝殻だ。
そう、まさにリトル◯ーメイドの主人公のような貝殻で隠す水着だ。
これならしっかり隠せてなおかつ色っぽいというのも解消できるまさに神アイテムだ。
これにしようかしら・・
でも・・貝殻は何か違うような気がする。
まず・・物凄く着るのが恥ずかしいのだ。
隠すようにこっそり貝殻水着を手に取り、試着室へ向かい試しに来てみることにした。
・・・・うん。貝殻はまずい。
私は鏡に映る自分の姿を見て貝殻路線は諦めることが決定してまた隠すように元の位置に戻した。
「智癒?まだなのかのだ?」
私が水着を決める時間が余りにも遅かったのか、剣華ちゃんが見に来た。
「ちなみに、剣華ちゃんはどんな水着にしたの?」
「へへーん!よくぞ聞いてくれました!!これなのだ!!」
そういって、剣華ちゃんが自慢げに私に見せてきたのはみなさんお馴染みのあの紺色の名前がついてある水着、スクール水着だった。
まっ、そりゃそうよね・・
「これでぼくの魅力が倍増なのだ!!」
「あぁ・・そうですね。トッテモミリョクテキデスヨ」
見え見えのお世辞を本気にしているのか自慢げに胸を叩いている。
はぁ・・子供は楽でいいですね・・
やっぱりこの子が、敵ではないことが再確認できた、いい機会でした。
もう、既に一時間が経とうとしていた。
さすがにこれ以上眠くんを待たせるわけにはいかない!!
もう・・これしかない!!!
私は目に付いたセクシー水着を手に取り、急いで来て眠くんのもとに向かうのであった。