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フラム村到着

「ゆーて、こっからフラム村までは20分ほどある。さて、なんか質問あるんやったらいってな」


俺たち一行は、フラム村に向かう道のりを歩いている。外はすっかり日が落ちて夕方になりかけている。

この光が落ち、夜になるとモンスターは一気に強くなり夜行型のモンスターと戦うということは自然と暗闇の中でたたかわくてはならない。

そうなってくると生存率が一気に落ちる。


まだ、駆け出しのパーティではまともに戦うことすらままないだろう。

だから、俺たちは少し早足でフラム村に向かいつつ、話すことに決めた。

まず、適当に俺達の自己紹介は済ませた。

次はこっちの番だ。


「遊美さんって呼んでいい?」


「別に遊美って呼んでもええで。そういうの気にならんし。」


遊美は軽快に話す。もしかしたら、今まで様々な冒険者達を泊まらせたのであろう。

やけに人馴れしているのだ。


「じ・・じゃあ、遊美で」


俺は、少し緊張しながら声を震わせつつ言った。

なかなか、女の子の下の名前を呼び捨てで呼ぶことはないので緊張を隠せざるをえない。


俺が少し照れながら話してしまうと、何故か智癒さんがふくれっ面になった。


「わ・・・・私も!!智癒って呼び捨てでいいんですよ!!?」


「いや、なんか智癒さんは智癒さんって感じだし・・」


智癒さんはもう、俺の中で智癒さんっていうイメージが確立しちゃってるんだよなぁ・・


「そ・・そうですよね・・私みたいな人には呼び捨てなんてできないですよね・・」


そう思ってると、智癒さんは何故かこの世の終わりの様な表情を浮かべつつ完全に落ち込んでしまった。


なんで、おれに呼び捨てで呼ばれたいんだ??

でも、あまり俺には落ち込んでしまった理由がよく分からんのであまり触れないでおくことにしよう。


「そのたわわな胸は何カップですか!!?」


そこは俺が一番聞きたかったことだ。

基本こういう、褐色で運動神経が良さそうな人っていうのはアスリート体系というかスレンダーみたいな印象が俺にはあった。


でも、もう服から浮かび上がっているぐらいの胸。はちきれそうな胸とまさにこの事だ。

智癒さんの胸も初めて見た時は大きいなぁと思ってたけどこの胸はさらに上をいく。


ビッグや・・ビッグやで・・


気分は鎖国時代の日本に黒船が来航してきたようだ。


「あぁ、この胸か?Hカップやで♪」


え・・・H!!!?

えっと・・Hってたしか・・?


「A・・B・・C・・D・・」


「数えなくてもいいです!!!」


智癒さんが俺のうわごとのように数えてたのを遮るような声で俺の思考を妨害する。


「私だって・・Dなの・・に・・唯一の巨乳キャラポジションが・・」


智癒さんは物凄く小さな声でなにか

言っていた気がするがいかんせん小さすぎて聞こえない。

それに、もうひたすらブツブツと小言を言っている。


智癒さんが・・壊れた。


恐るべき、褐色。そして恐るべきHカップ。


「でも、運動する時は邪魔になるからいらないぐらいやで。」


「なるほど・・」


胸が大きいとスポーツに不利という伝説はやはり本当だったのか。


遊美が胸はもう少し小さかったらよかったなんて話しているとさっきから智癒さんの小言が加速している。


死ねとか聞こえた気がするが、あの優しい智癒さんがそんなことをいうはずがない。

何かの俺の聞き間違いであろう。


「ゆ・・遊美さんはなんで少し方便が入ってるんですか!!?」


智癒さんは、もうまさにこれ以上俺が質問しないようにする勢いで聞いてきた。


「あぁ、それか。うちは異世界に飛ばされる前は大阪に住んどったからな。その影響や」


「確かにこういう地方の方言で喋る人って珍しいよな。まぁ、一部語尾に変なのつけるやつはいるけど」


そう言って、俺たちの視線は自然と小さな女の子に集まっていく。


「これは、癖であって方言とかではないのだ!」


いや・・癖ってなんだよ・・それに方言じゃないことぐらい分かってるよ・・


4人の心は恐らく一つになったであろうが誰もツッコムことなく暖かい目で見守ることが決定されたようだ。


「ほら!!見えてきたで!」


遊美がそういいながら一つの方向を指を指した。俺たちがその方向へ視線を向けると、ようこそフラム村へって書いてあるどこにでもありそうな大きめの看板が見える。


少し歩いて近づいてくるとだんだん村の中身が見える。人もサンクルーム通りほどではないがいることが見える。


「まぁ、この村は海がある事以外は対したこと特色もない普通の村やけどゆっくりしていってくれな!」


う・・海!!?


遂に待ってましたよ!水着イベント!!女の子の下着の様なものを合法的にチェックできるというあの素敵イベントじゃないか!


「でも、私たち・・水着なんて・・」


まさか、冒険に水着が必要になる状況ってのはなかなか無いだろう。

みんな、持ち物の中には水着がないと言うのだ。

万事休すか・・

俺の儚くも壮大な夢が・・


「いや、ちゃんと水着がレンタルできる場所があるから大丈夫なんやで!!」


なに!!?

やったぁぁぁぁぁぁぁ!!!

俺の魂の雄叫びが鼓動する。


「じゃあ、とりあえず今日はもうすっかり夜やし夕食食った後、うちと月華は結界の練習、他の人たちは就寝って形にしましょうか。お楽しみの海は朝からってことで」


辺りを見回すとすっかり夜だ。確かに今から海に行っても残念な結果しか見えてこない。


全員が了承した後、俺たちは遊美の家を目指すことに決めたのであった。

水着回のフラグは建てましたよ・・・

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