05
……コメント思い付かない(なぜそれを書くし)。
orz
「ふーっ……、っよし! できた!!」
そう言って彼女は、手に付いた煤を気にせず自らのジャージの袖を捲って――5人分をひとつひとつ皿へとよそっていった。
パキッ、パチッと――薪が燃えてゆく時の独特の音が、静かになった世界に大きく聞こえて来た。
その台詞に、その調理場にいた当事者達以外のクラスメイト全員の動きが停止していた。教師陣も含めた彼らは「……はい?」といった顔と目を自分達のテーブルに向けてきていた。何人かは口も開けていた。煤が入るぞ。
予想以上――具体的には他の班より30分も早く、自分達の班は華麗にカレーを作り終えていた(別に掛けたワケではない)。献立はカレーとサラダだけだとはいえ、普段とはあからさまに勝手が違う状況で、他のクラスメイトが四苦八苦・悪戦苦闘している最中の完成だった。
「いやー、しっかし凄いねー」
「手際が良過ぎます……」
「まさかこんなに早く終わるとはね……結構アンタも女子力あったのね、ってそりゃそうか」
「ちょっとソレひどくない!? ……って、ドドド、ドコ見て納得してんの!!?」
「?」
なぜか急に自分に視線が集まったのはよく分からないが、そんなこんなで他より半刻ほど早めの――ワイワイしながらの昼食が始まった。
彼女が作るのはいつもチキンカレーなので豚肉にちょっと違和感があるのはあるが、まぁ美味しくいただけるのなら問題は全くない。緑色がたくさんのサラダもしっかり水を切ってありながらシャキシャキとした歯応えを提供してくれた。
ふと、カレーをモグモグと咀嚼しながら横を見やる。
「……、」
視線の先にいる本日の立役者である彼女は、他の女子3人と和気藹々と、嬉しそうにおしゃべりしていた。その横顔を見て何だか暖かい気分になると同時に、先程米を研いできた時にも考えた事が思い起こされた。