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名前は、まだない  作者: 青山春野
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 昨日はスイマセンでした。完全に私情で投稿できませんでした><

 それと今後は奇数日23時頃投稿になりそうですorz



 ご迷惑をおかけしますがここまで続けてこれた(?)のもみなさんのおかげです。今後とも宜しくお願いします。

 それは突如、後方からだった。

「――案内ご苦労だった、アリサ」

「――――!?」

 突然の声、それも聞いた事のない女性らしき声に内心でのみ驚く。

 誰だ――――?

 考えるだけ無駄と即座に切り替えて後ろを振り返――って、振り返ってから息を呑んだ。

 なぜならそこには見た事のない女性が扉の近くに背筋を伸ばして美しく立っていたからだった。いや、綺麗なのはそれよりも本人の方だったからかもしれない。

 女性平均より大きい紗希より更に大きい背丈。お騒がせ少女エミリより長い髪はストレートに、アリサさんと同様漆黒であるはずなのに鮮やかだ。体のメリハリに関しては見てきた中で最も素晴らしいアリサさんをも超えるもので、街中をほんの少し歩くだけで間違いなくナンパやらスカウトやらで声をかけられる事が一目で窺えるほどだった。服装と、アリサさんを「アリサ」と呼んでいた事を踏まえると彼女もここのメイドのようだった。

 しかし……。

 メイドドレスを着こなしているのに、似合っているのに……なぜだか『勿体ない』と感じてしまうほどの美女。そんな存在が現実として目の前で立っている光景が、束の間この場所の事を忘れさせる。

 改めるように無意識に、不躾に見て――やはり自分が息を呑んだ理由はこちらだった事を再確認させられた気分になった。

 クイクイッ。

「?」

 突然に今度は服の端を引っ張られたので引っ張られた方を見ると、紗希が自分を見つめてきていた。

 いや……これはもしかしなくても『睨んでいる』と言った方がいいのかもしれない。膨れっ面とも言うのかもしれない、そんな表情を浮かべていた。

「なんだよ」

「いや……なんでもないっ」

 いきなり怪訝な顔で頬をフグみたいにされてもワケが分からないので質問する。と投げやりな言葉と共にプイッ、とそっぽを向かれてしまった。

 ????

 さっきは急に笑ったり、今度は急に不機嫌になったり……この戸頃の彼女は、本当に解らない事ばかりだ。

「いえ……寧ろ到着の方が少々遅れたのではないかと」

「いや、元からゆとりのある段取りで構成していたのだからこちらは問題ない」

 なにやら呼ばれたアリサさんが応対している。容姿から薄々は感じ取れたが、場の雰囲気と言葉遣いからアリサさんの上司、それも話ぶりから相当の監督役らしかっ、た……?

 なんだ、なんだろうこの……いや、やはりよそう。大方勘違いといった所だろう。

 引き続いて彼女たちの会話は続く。

「それと……エミリが優希様の部屋に侵入するという予定外の事態が発生しまして…………」

「あのは……意気揚々とどこかへ行ったと思ったらそれか」

「ええ……しかし一応私の方から『少々辛め』に注意はしておきましたので大目に見てもらえればと」

「……お前は優しいのか厳しいのかどっちなんだ? ……いや、これは律儀というヤツか?」

「余計なお世話です、ただの事実確認ですから……ところで他の使用人メイドは?」

「ああ、彼女達なら――――」

 そこで、そのメイド長(仮称)の言葉が途切れた。

 直後だった。

「これで私『達』の方も全員揃いましたよ」

 メイド長の後ろから、また新たな人物……人物達が追加された。

 新たにメイドドレスを着用した女性が4人。

 他3人は全く以って分からないが、1人は確実に見た事があった。あの目立つ金髪のツインテール少女はエミリだ。ただ彼女は……まぁ、『少々辛め』に注意されたのが効いているようで、長らく日光に当たっていない植物のようにしょげていた。というか泣いていた。だが残念かな、ちっとも可哀想とは思えなかった。寧ろアリサさんは良い仕事をしたとまで思ってしまっていた。

 あまりそうしたくはないが自分は一応はここの主人らしいので、後で感謝の意を述べておこうとも思った。勿論、上から目線にならないように。

「これでこちらも問題はありませんよね、マリカさん?」

「ああ、お疲れ様だミイユ」

「いえいえ」

 どうやらメイド長(?)は「マリカ」さんと言うらしい。それと、今来た4人のメイドの内の1人で先頭でマリカさんと話す女性は「ミーユ」さん……いや発音からして「ミイユ」さんと言うらしかった。

 現在進行形で微笑むアルエさんは茶髪のふんわりとしたボブカットで、背はそれなりながらもインフレでも発生させているのか自分の人生史上最大の『出る部分は出て、引っ込んでいる部分は引っ込んでいる』を更新するボリュームを誇る――そんな容姿だった。要するに彼女も彼女で隣に立つマリカさんと同等の体躯と美女っぷりなのだが、見た目と母性感溢れるオーラがなんだか保育士向けで、メイドというよりお手伝いさんとか介護士みたいだ。

 だが、そんなミイユさんはその微笑を後ろをチラッと見てすぐ困った顔にしてしまった。

「……ただエミリちゃんがちょっと泣いちゃってて…………」

「……お前の律儀さは頼もしいが『少々』は信用ならないようだな」

「……気の所為かと」

 …………。

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