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 少年と亡霊王子 1

 処女作です、すいません。

 完全な見切り発車です、すいません。

 チラ裏に書けって言われると思います、すいません。

 よろしくお願いします、すいません。

「カナメちゃんって、いまいち存在感が薄いんだよねぇ」


 これは、生まれてから15年連れ添った幼馴染み(男)の言である。

 ちなみに、カナメちゃんっていうのは俺の事。

 兵部 要、15歳。中学3年生、男。趣味は、小説を読むこと、ゲームをする事、それと流鏑馬。

 これは俺の家が神社なんだが、元々は武士の家系で、伝統的に境内で流鏑馬が行われている事に由来する。

 小さい頃の俺が、射手である父親の勇姿を見て、俺もやりたいとダダをこねた…らしい。それ以来俺もやらせて貰ってる、と言う訳。


 そして、特徴…存在感が薄い、この一言に尽きる。


 冒頭の言などまだましな方で、兵部家による食卓の一コマ、母親の「あれ、あんたいたの?」は、ルーティンワークと化しているし、担任の「兵部はたまに見えなくなるから一番前な」は、席替えにおける恒例行事だ。

 見つけてもらえないまま夜を迎えるかくれんぼは俺のトラウマスイッチだし、実の祖母(霊感がある)には、「あんたのオーラは常人の半分の密度しか無い」と言われた事もある。

 飼い犬は未だに俺を見つけるとビクってするし、なんなら飼い馬だってビクってする。

 まあ、家族旅行に行きパーキングエリアに寄った際トイレに行った俺を置いて車が発進してしまう、なんて事を繰り返せばある程度の事には、もう、慣れた。

 ただ、15歳思春期真っ盛りである俺の事。

 気になるアノコに勇気をだして声をかけても素で気付いてもらえない、なんて事件が起きた後の夏休み。

 「俺の体が小さい(146センチしかない)せいで、物理的に見えなかったに違いない」

 なんて現実逃避をしつつ、金髪にでもして2学期デビューしたろか、なんて目論んじゃうのも仕方ないだろう。

 

 なんて事を考えつつ、さりとて真剣に

 「存在感の薄さってどうしたら治るんだろう…」

 って悩みながら、愛読書のファンタジー小説でひとしきりエルフのお姉さんに萌えてから寝た夜、

 それは起きた

 …らしい。


 ーーーーーーーーーーーーーーーー



ーーブモォォォ…ーー


ほら、もう泣くなよディー◯。え?私にはあなただけなのって?


ブモォォォ…


知ってる。◯ーンなんかより俺の方がよっぽど君の事を愛しているよ。


ブモォォォ‼


あはは、そんな所舐められたらくすぐったいって。よーしお返しにその長耳ペロペロしちゃうぞぉ。


「ブモォォォーー‼」


…………。


「ブモブモうるせぇんだよっ‼今良いとこでしょうがっ‼」


 ガバっと身を起こして気付く。どうやら夢を見ていたらしい、昨日寝る前に読んだ本が原因だろう。

 …しっかし良い夢だったなあ、あのまま続いてたらどうなっちゃってたのかしら。どうこうなっちゃってたのかしら。これは俺をおこした馬鹿野朗には文句の一つも言ってやらねばなるまい…許さない。絶対にだ。

 でも、あの牛だか豚だかの鳴き声みたいのはなんなのだろう。家の近所にそんなモンいない筈なんだが。窓の外になんかいんのか、と思い目をやって違和感。


 「あれ、ここどこでしょう?」


 思わず呟いてしまったのも仕様が無い。そこに窓は無かった。てゆうか、俺の部屋ですら無かった。

 四面を囲む石の壁、扉の無い出口が一つだけある。


 「洞窟?」


 印象を言えばそうなる、まるで映画かなにかで見る洞窟の様だ。あれ、俺まだ夢見てんのか、などと思っていると、


 『やっと起きたか、少年』


 と、頭の中に声が響いた。


 「え、なにこれ怖い。幻聴?」


 『お、これはすまん。今出るとしよう』


 頭の中に再度声が響いた次の瞬間、


 ぬるん


 音のするならまさにぬるんと、俺の体から、知らない外人が出てきた。


 「あびゃあっ!!」


 あまりの出来事に意味不明な叫び声が出る。俺の中から出てきた外人はこっちを見て笑っている。

 そう、外人。明らかに日本人ではない。

 プラチナブロンドに所々アッシュの入った髪、高く通った鼻筋、意志の強そうな碧色の瞳。仕立ての良さそうなシャツに紺地のパンツと相まってなにやら貴族めいた印象まである。…完璧に男前だ、非常にモテそうである。爆発しろ。


 ん、てゆうかこいつ若干透けてない?


 『ウハハ、あびゃあってなんだ。お前の世界の挨拶か?』


 「うるさい、ほんのちょっと若干驚いただけだ。お前こそ何者だ」


 『よくぞ聞いてくれた、我こそはラウル・イル・エステバン。この国の王子だった者だ、今はしがない亡霊だがな…クフフ、亡霊だけに死が無い、傑作』


 自称亡霊は最低にも程があることを言ってニヤニヤしている…しかし、気になる事を言ってたな。お前の世界?この国?


 「頭湧いてんのか。つーかここは何処だ?お前が俺をこんな所に連れてきたのか?」


 『違う、お前が勝手にここに来たのだ。だが良かろう、優しい優しい俺様が可哀相なちびっこであるところのお前に真実を教えてやろう。聞いて驚け、見て騒げ。そう、ここは、お前にとって、異世界だ!!』


 まるでグレ〇のボーカルの様に手を広げ、これ以上無いくらいのドヤ顔で言う自称王子。ウザすぎる…異世界?なにそれおいしいの?しかしこれで決定した、これは間違い無く悪夢だ。


 『頬をつねるな、これは現実だ』


 「確かに痛いが、なんでお前に、ここが俺にとっては異世界だと分かる?」


 『だって見たもの、可哀相なちびっこであるところのお前の記憶。この世界にはお前の世界の様な機械?を使った技術なんて無いし、常識なんかだって違いすぎる』


 「ちびっこ言うな、俺の名前はカナメだ。次に人の身体的特徴ディスったら鼻にピーナッツ山盛り詰め込んだ後、口にガムテープグルグル巻きにして呼吸出来なくしてやるからな。…しかし、つまらない嘘言いやがって。記憶を見ただと、どうやったって言うんだ?」


 『いやいや俺ねこの部屋で死んじゃってさ、亡霊になったたんだけど、色々あってこの部屋から出れなかったんだよね。んで、長い間暇してたらいきなり光がピカーってなって、それが徐々に人の形になっていく訳。んで、しめたこの体乗っ取ってここから出でやるっつって憑依したんだけど、体は動かない。んだよ、使えねぇ死ねばいいのにって思ってたらお前の記憶がワーって流れ込んできたからそれを見たと』


 「ツッコミどころが満載すぎるから流すが、とりあえずお前が死ね。しかしそんなんじゃ俺の記憶を見たって証拠にならない。あくまで言い張るなら俺の秘密の一つでも言ってみろ」


 『…カナメちゃんさ、エルフ好きだろ』


 「はい?」


 …なぜこいつが15年連れ添った幼馴染み(男)ですら知らない俺の萌えポイントを知っている…


 『しかも好きすぎて寝ている間に下着を汚し…』


 「もういいっ!!…もう、やめてくれ…」


 最悪だ…目を覚ましてからの絶望感と泣く泣く風呂場でパンツを洗った思い出が甦る…


 『クフフ、降参するか。しかし未だ俺のターン、ここで俺はここがお前にとっての異世界だという証拠を二つ提示する。安心しろ、優しい優しい俺様はその後カナメちゃんが泣いて喜ぶ情報を一つおしえてやる』


 「ちょっと待て降参はしない、俺のターンだ。ここで俺は矛盾を指摘する。王子だ、異世界だ言ってる割りにはどう考えても流暢な日本語、(しかもオタ寄りの)をお前が喋っているのは何故なんだ。」


 『俺は日本語なんて喋ってない。亡霊は空気を発せないから喋れないしな。その代わりお前のプラーナを利用してライン(霊道)を繋ぎ、それを使ってお前の脳に直接語りかけている。それをお前の脳が自分に分かり易い様に翻訳しているんだろう』


 さらって言いやがった。ただ、それがもし本当だとしても、元々王子が馬鹿っぽい事を言ってるから、馬鹿っぽく翻訳されるんじゃなかろうか。…むかつくからこいつの呼び名はバカ王子で決定だ。


 


 更新は不定期になると思います、すいません。

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