相談すべきはダチなのか?【7】
その日の放課後。
俺の顔色が悪いと心配してくるダチに、俺は「なんでもない」と答えた。
ダチが「気晴らしをしよう」と言って、俺をある場所へと誘った。
女子テニス部が練習する第二グラウンド場。
サーブを打つ時の、花弁のようにふわりと開く短いスカートがなんとも言えない興奮を覚えるとダチは言う。
興味がないわけではないのだが。
女子からの陰口と非難じみた目から逃げるようにして、俺はグラウンドに背を向け座った。
ダチは堂々とグラウンドに視線を向けたまま、真顔で俺に言う。
「今回の地雷原は凄まじいものだった。あの地雷原を無傷でいける強者は学年でただ一人、首席をキープし続ける綾原奈々だけだ。あれは綾原に合わせた出題のオンパレードだった。一限目でいきなり爆死したのはお前一人じゃない。お前の屍の横にはオレもいる。オレも赤点を超えられなかった一人だ。福田も山根も上田もミッチーも浜田も柏原もレッド・ラインは超えられなかった。共に夏期講習へ行こう、戦友」
俺が赤点のことで悩んでいるとでも思ったのか?
「違うのか? そいつは悪かった」
なぁ朝倉。お前、夜七時って何してる?
「テレビ見てる」
じゃぁウソホン見てる?
「【嘘か本当か都市伝説を追及せよ】のことか? 先月から放送が始まったラキボイの相方が司会してるやつだろ? あの番組だったら見た」
あれ略してウソホンって言うんだぜ。
「マジでか?」
その番組内で【小さいおっちゃん伝説】やってただろ? お前、あれどう思う?
「それ、トップアイドルASAKAの杉下ゆいなが調査しているファイルじゃないか。ネタがあるのか? あるなら迷わず番組に投稿しろ。そして調査が決定したら待ち合わせ場所は必ずこの学校を指定しろ。そうすりゃお前はオレたちの、いやこの学校の英雄になれる」
ネタ投稿、か。本気でそういうのを投稿したら絶対ドン引きされそ
「おー! 女子テニス部が練習を始めたぞ!」
おい。まだ俺が話している途中だろ。
「風よ吹け! 奇跡よ、おきろ! 草なき砂塵のグラウンドにその花を咲かせるのだ!」
そんな時だった。
俺たち二人を覆う大きな影。
嫌な予感に俺たちの顔は引きつった。
体育教師の鬼瓦泰造が仁王立ちで俺たちを睨んでいる。
「お前ら二人は職員室へ来い」




