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俺に睡眠は許されない【6】


 宿題は五時に終わった。

 二時間ほど軽く寝て、いつも通りの朝を迎える。

 いつも通りに支度して、いつも通りに家を出る。

 学校に着いて教室に入り、ダチとしゃべって、担任教師が来て、授業が始まる。

 何事もない、いつも通りの時間。

 そんな日中を過ごすことで、俺はすっかり昨夜見た夢ことなんて忘れていた。


 所詮は一夜限りの都市伝説。

 夢の内容なんて、いちいち記憶に留めていない。


 やがて午後の授業が始まってから五分後。

 睡眠不足と昼飯の後、そして古文の授業だったせいもあって、俺はウトウトと眠りかけていた。

 釘打つように何度も頭が下がる。

 まぶたが重い。

 いつの間にか俺は意識を手放し、眠りについた。


 頭の中で、おっちゃんの声が聞こえてくる。


『お? やっと睡眠休憩とったな。じゃぁ早速ゲームの世界に行こうぜ』


 ──スパン!


 いきなり、俺は頭に衝撃を受けてハッと目を覚ました。

 教科書を振り下ろしてきたであろう古文の教師が俺の横を通り過ぎていく。

 同級生が俺を見て声を押し殺して笑っている。       

 

 俺は痛む頭に手を当てたまま、呆然とした。

 もしかして今、教師に起こされてなかったらヤバくなかったか?

 昨夜のあの夢が今頃になって鮮烈に蘇ってくる。

 それと同時になぜかわからないが、確信を抱かずにはいられなかった。

 おっちゃんは俺の頭の中に確実に存在する。

 そして俺の眠った隙を突いて異世界に引き込もうとしている。

 この先、絶対に眠ってはいけない。

  

 その後。

 俺は言い知れぬ危機感にかられたせいか、その日の授業は眠ることなくずっと起きていた。

 

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