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どういうことか説明しろ、おっちゃん!【29】


 どうやら俺はあれから三日も寝ていたらしい。


 最初に俺の異常に気付いたのは母さんだった。

 あの日は顔色が悪かったこともあり、勉強していたあの夜、普段は滅多に部屋に来ないはずの母さんがその日は何気に様子を見に来たんだそうだ。虫の知らせがしたと言っていた。俺が寝ているのを見てベッドで寝るよう揺すり起こしたらしい。そしたらいきなりだらりと椅子から滑り落ちて床に倒れたから大慌てで残業中の父さんに連絡をとって、その後救急車で搬送されてそのまま即入院となったらしい。


 ──って、おっちゃん聞いているか?


『聞こえている』


 どういうことか説明しろ。


『説明するも何も最初の時に話してやっただろうが』


 俺があっちの世界で過ごしたのは二日だ。なぜこっちの世界で三日も寝ていることになってんだ?


『あとの一日分はお前の脳が本気で寝ていたってことだ』


 いや、意味わかんねぇよ。


『ペナルティーの話をしてやっただろう。お前がこっちの世界で馬鹿でかい力を使えば使うほど目覚める時間がどんどん延びていくってことだ。わかったか?』


 元の世界に戻れないってそういう意味だったのか?


『たしかそんな仕組み、だったはず……』


 はず?


『もう一回説明書を読んで確認してくるから待ってろ』


 ちょ、待て! 説明書ってなんだ!


 ぶつり、と。

 電話が切れたような音が頭の中で響いた。


 え? これ電話なのか? 俺、今まで知らないおっちゃんと頭の中で通話していたのか?


 ……。


 何の反応も返らなかったので。

 俺はため息とともに休んでいたベッドを降りると、そばに置かれたテレビ台の下の開き戸から小銭入れを取り出した。

 暇だし下の売店から週間漫画とジュースでも買いに行くか。

 そういや母さんが先生と別室で話しに行くと言ったきり、ずいぶん帰ってこないな。

 あ、そうか。そういや父さんにも連絡取るとか言ってたっけ。

 いつまでかかるんだろう。

 

 暇だなぁ。


 ちょっと下の売店に行くだけだし、すぐ戻ってくればいっか。別に絶対安静ってわけでもないし。


 俺は小銭入れを手に、病室から出て行った。


 


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