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目覚めてみれば、大変なことになっていた【28】


 俺はそっと目を開いた。

 久しぶりに得るような感覚だった。


 そういえば宿題がまだ途中だった気がする。


 そんなことを思い浮かべながら。

 目覚めて見えてきた景色はなぜか自分の部屋ではなく、病院の一室だった。

 おそらく四人部屋。しかもその入院患者の一人として俺はベッドで横になって寝ている。


 夢、か……。


 俺はそのまま静かに目を閉じていった。


 しばらくして。


 俺は一瞬にして目を大きく開いた。

 ハッキリしてくる意識。冷水をかけられたかのように俺は感覚を取り戻す。


 ど、どういうことだ? なんで俺、病院にいるんだ?


 活発する脳とは裏腹に体の目覚めは遅い。

 声が思うように出せない。

 体の反応が鈍い。


 俺の身にいったい何が起こったんだ!?


 そんな折、仕切られたカーテンの向こうから俺の母親が姿を見せる。

 俺を見るなり顔を固め、手に持っていた花瓶を力なく床に落とす。

 派手な音を立てて花瓶が床で砕け散った。

 その音に俺も驚いたが、俺の向かいで寝ていた人が気の毒なくらいにびっくりして飛び起きていた。

 母親は取り乱したように「先生! 先生!」と叫びながらどこかへ走っていった。


 ……。

 とりあえず今が夢なのか現実なのかよくわからなかったが。


 ようやく冷静さを取り戻した俺は、何事もなかったかのようにゆっくりと体を起こしてベッドの上に座りこんだ。



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