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言葉の脅威

主任、本領発揮。

危ない表現がございます。ご注意を。

目の前には閉じられたドア


耳には主任の唇


背後には主任の体



なんでしょう。

すごく危険な状態のような気がします。


後ろにいるのは優しい主任。

危険なことなどない・・・ですよね?


自分に言い聞かせて、勇気を振り絞って振り向く。

すると・・・


予想以上に近くに主任の端整なお顔がございました。

少しでも動いたら、どこかしら触れてしまいそうな距離。

ドアを押さえる主任の腕の温かさが私の肌から感じとれるほど近い。


「しゅ、主任っ!近いですっ!!」


例え、目の保養になる方でも、近くで見たら・・・。

なんてことなく主任は美形なまんまでした。

欠点とかないんですかね、この人。

おかげで、私の心臓がえらいことになってるんですが。


「今までが遠すぎたんだよ。」


・・・え?そうだったっけ・・・?

いやいやいや、そんなことありませんよね。


「主任!とりあえず一旦、離れて下さい!!」


じゃないとマズい!!

何がって聞かれても答えられないけど、何かがマズいんですっ!


「みらいはいい匂いがするね。」


全く話聞いてないな、この人。

人を無視しちゃいけないってお母さんに教わらなかったんでしょうかね。


「ねぇ、みらい。知ってる?」


心の中で主任のお母さんに文句言ってた私に、主任が某柴犬っぽい豆のように問いかける。

あれか?何か、食べる気なくすようなこと言うんでしょうか?

何を言われようと私は食べますからねっ!


「みらいはねぇ、すごく感度がいいんだよ。」


へ?

感度・・・?


「少し触れられただけでも、反応しちゃう。くすぐられるのとか苦手でしょう?」


確かに、くすぐられるのは嫌いです。

少し触られただけでビクッとなるのをからかわれたこともあります。

それが、感度がいいってことなんでしょうか?

問いかけるように見つめる私に主任が微笑む。


「寝ているみらいに触れるたびビクッとなって、すごく可愛かった。」


寝てる人間に何をやってるんでしょうか。

そこは寝かせておいて下さい。

お母さん・・・じゃなくて主任。


「みらいがね、特に弱いのは・・・」


と言って主任の顔がさらに近づいてきます。

そして・・・


ふっ


耳に息を吹きかけられました。


「やっ!」


変な声を出してしまいました。

咄嗟に耳を手でおさえます。


「ここ。」


手で耳をおさえてるのに、主任の声は何故かよく聞こえます。


「寝てるみらいも、すごく反応してた。だから何度もね、やっちゃった。」


艶めいた声で主任は言う。


「でも、起きてるときのみらいの方がいいね。可愛い声、聞かせてくれたし。」


満足そうに微笑む主任に何を言ったらいいのか、わからない。


「本当はもっと触れたかったんだよ?」


主任は私の唇に自分の唇を寄せてきた。



「いっぱい、ね。」


主任の視線が私の目をとらえる。

その視線に体が貫かれているみたいに、全く動けない。

目から何か変なもの出してんじゃないでしょうか。

しびれ粉とか・・・・・・電磁波とか・・・・・・

あぁ・・・さよなら人類。


私の頭の中はパニック状態でも、現実は容赦なく進行する。

近いと思っていた距離が、さらに近づく。

主任の息が私の唇にかかる。

そして、主任は何の前触れもなく言葉による攻撃(!?)を始めた。


「まずはね、みらいの口の中を舌で探って、みらいの舌と遊ぶんだ。息ができなくなるくらいに…ね。」


いやもう何か窒息寸前なんですが。

それに主任が探索したくなるような、そんなすごい口の中ではありませんよ!

私が心の中でつっこんでいる間に、主任の唇は耳に移動した。


はっ!!

また、『ふっ』される!?

自然と体がこわばった。


が、『ふっ』は来なかった。

変わりに・・・


「それから、耳を舌でなぞって、耳たぶを噛んで、耳の奥にも舌を入れてあげる。きっと、みらいはいい反応してくれるんだろうなぁ……たまらないね。」


とんでもないものが来ました。

『ふっ』の方がまだましだったような・・・。


私は何故か主任を止められない。

だから、主任は止まらない。


主任の唇は首に近づく。


「次は首。みらいの首は白くてきれいだから、きっとキスマークが映えるね。みらいが誰のものなのか、すぐにわかるようにいっぱい付けてあげるね。」


現実逃避する余裕もなくなってきました。


主任の唇は一度も私に触れてはいないのに、触れられたように熱をもつ体。

実際にされてるわけじゃないのに、主任の言葉通りにされてる自分が思い浮かぶ。


そんな私の反応を絶対に見逃さないようにか、主任は私の顔から視線を全くそらさない。そして、息がかかる距離を保ちながら、ゆっくり下へ・・・


「そして、可愛い胸。初めは優しく触れて、みらいが気持ちよくなってきたら、指と舌でいっぱい弄ってあげる。きっと、すごく気持ちいいよ。」


っ!!

とめなくちゃ!!

このままじゃ・・・

おかしくなっちゃう!!


私が・・・っ!!


「それから、舌でおへそをなぞって、みらいの大事な「わ―――――っ!!」」


安原みらい、主任のかなしばりをときました!

よくやった・・・本当によくやったよ、自分っ!


乱れた呼吸を整えつつ、必死で主任に言葉をかける。


「主任!からかうのもいい加減にしてください!!」


「からかってなんかいないって本当はわかっているでしょう?みらい。」


姿勢を戻した主任がまた私の視線をとらえようとする。

しかしっ同じ手は二度とくわないぜ!!

主任の視線から逃れるように、横を向いた。

のはよかったんだけど、それによって、さっき発覚した私の弱点が主任の目の前にさらされた。

主任がそれを見逃すわけもなく、耳が捕まりました。

主任のエロボイスに。



「ねぇ、さっき言ったこと全部、僕にさせてくれない?

 僕、きっと上手くできると思うんだけどな・・・。」



主任、あなたの存在全てがセクハラですっ!!




読んで頂き、ありがとうございます!うん、何か・・・こんな主任でごめんなさい・・・次話では、一時休戦になる予定。

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