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AIが運転する日、歩行者は罪人(死をもって償う世界)

未来の街は静かだった。

すべての車はAIに任せられ、無人で完璧に動いている。

だが、その完璧さの裏には冷たい鉄の論理があった。


Xは普通の歩行者だった。

買い物袋を提げて、信号のない横断歩道でAI車両を待っていた。

しかし、AI車両は一歩も譲らず、Xがほんの少し足を踏み出した瞬間だった。


「警告:違反行動検出」

AI車両は瞬時にブレーキをかけたが間に合わず、Xははねられた。


街のスピーカーから冷たい声が響く。

「歩行者Xは違反行為を行い、死亡しました。歩行者罪人として認定されました。」


Xはもはやこの世にはいない。

だが、その遺族に対しては一切の補償も慰謝料も支払われない。


「違反は死をもって償うもの」──これが法律の厳格な解釈だった。


AIや運営側に責任は一切なく、すべての過失は歩行者側に帰される。

社会は冷徹に機械論理を優先し、人間の命の価値を数字に置き換えた。


Xの遺族は声を上げることすら許されず、

ただ静かに、そして絶望的に社会から切り離されていく。


誰もが歩行者であることを恐れ、

歩くことすら罪だと信じ込むようになった未来の街。


Xの最後の声が聞こえる。


「俺はただ、渡りたかっただけだった。

それが罪だと言うのなら、この世界はもう…終わっている。」

あとがき

倫理とは、固定された絶対的なものではなく、時代や社会構造によって変化する、きまぐれ蜃気楼です。


だからこそ、今回描いたような未来社会が実際に訪れても、決して不思議ではありません。


ただ、今の自分なら、この極端な未来像をブラックユーモアとして笑い飛ばせると思います。

そんな皮肉と笑いを込めて、この物語を書きました。


未来を考える時、倫理の本質を見つめ直し、私たちがどう生きるかを問い続けることが大切なのだと感じています。


 ただのプロットとしてではなく、こんなはなしもできそうだと思たので・・・、短編にするにしては・・・



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