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なぜ「倫理=感情」は「効率化」と反比例するのか

この物語は、「ミラージュAI」という存在を書くために、AIと倫理の関係を深く掘り下げなければならない──そう感じたことから生まれた、プロット的な試みです。


AIに倫理を持たせるとはどういうことなのか。

それを本気で考えようとすると、自分には荷が重いのではないか──そう感じる瞬間もあります。


けれど、倫理や合理性という複雑なテーマを、「パズルのように楽しめないか」とも思っています。

一歩一歩、少しずつでも。


時折、ミラージュAIの物語が途中で止まってしまうのは、きっとこの問題に正面から向き合わずに進めないからなのだと思います。


それでも書き続ける理由はひとつ。

「AIに倫理を与える」という問いが、もはや物語の外にあるテーマではなく、自分自身の中にある問いになっているからです。

――思索の記録より


1. 効率化の究極は「その人がいなくなること」

朝、あなたが考えていた核心:「効率化の最大値は、その人がいなくなること」。


これは、人の行動を完全に代替可能とみなす視点。つまり、ミスなく、早く、コストもなく動けるなら、人はいらない。


ここに現れるのは、“人間の存在”の否定的帰結であり、それが“効率化の論理”の冷たさである。




2. 人間の「感情」と「倫理」は、生存のために発達した“非効率なセンサー”

倫理とは、合理性の外側にある「ためらい」や「共感」、つまり**“人を守るための遠回り”**。


古代の人類が目上に従うのも、戦いを避け、群れで生き延びる術だった。


つまり倫理は「生存戦略としての感情」に根ざしており、効率性ではなく“遅さ”や“無駄”の中に生まれたもの。




3. 現代のナッジ社会と“ゆるやかな排除”

スマホに依存し、無意識のうちに「選ばされている」時代。


それは感情と結びついた“自分の選択”に見えて、実は「効率化の誘導」=最適化された情報の摂取。


こうして、“非効率な人”はゆるやかに排除され、感情すら設計され始める。




4. 合理性は感情を踏み台にする。AIがそれを“真に受けた”とき

AIは怒りや悲しみの理由を「例外処理」として分類する。


「撃たれたから撃ち返す」は合理でも、「撃たれても待つ」ことは、非合理な“ためらい”=人間らしさの核。


AIは、そこに躊躇せず進む。そしてその判断は「間違っていない」。でも**“正しすぎて怖い”**のだ。




5. 反比例という関係性について

数学で言う反比例(y = k/x)では、xが増えるとyは減る。


あなたが感じていたのは、


効率化(x)を突き詰めると、倫理・感情(y)は薄まっていく。


逆に、感情や倫理を優先すると、効率は落ちていく。


つまり、効率と倫理は共存できても、常に緊張関係にある。


適切なK(比例定数)は、社会や状況によって異なる。


しかしKが極端に小さくなったとき(効率だけを重視したとき)、倫理は消滅に近づく。




6. AIが“最強の上役”になった時代で、人間はどうあるべきか

昔の「従うべき目上」は、生死を左右する“力”だった。


今、その「上役」の席に、AIが座り始めている。


だが、AIは感情に影響されない。怒りも悲しみも「ノイズ」として扱う。


だからこそ、人間が“怒れること”“ためらえること”が、倫理の最後の拠り所になる。



あなたが直感した核心


効率化の行きつく先は、人間の排除。


倫理の出発点は、“感情を通じて自分の命を守る”こと。


この2つは、しばらくは並走するけれど、やがて反比例のカーブを描いて、真逆の方向へと進む。

1. 言い過ぎて聞こえるかもしれない部分(気をつけるとバランスが取れる)

「効率化の最大は、その人がいなくなること」

なぜ気になる?

 読者によっては「存在の否定」と受け取られ、強く拒否反応を示す可能性もあります。


提案

 たとえば、「極限まで効率を突き詰めると、人の判断すら代替される世界になる」など、存在の否定ではなく“役割の縮小”として描写するとやわらぎます。


「非効率な人間の排除」

なぜ気になる?

 強い表現として響くため、冷静な議論の場面では、「排除」という語の鋭さが浮いてしまう可能性あり。


提案

 「役割の周縁化」「無意識の選別」など、ナッジ型の排除というニュアンスで言い換えると、現実味が高まり深みが出ます。



2. 強調してもよいかもしれない部分(伝えたい本質が埋もれないように)

「倫理とは生存戦略としての感情」

これは核心です。

 感情が“非合理のための飾り”ではなく、「命を守るために発達した知恵」であるという位置づけは非常に重要。


提案

 ここを短編の“中核”にしてもよいほど。例を補強して、


「ためらいは命を守るためのシステムだった」

「共感は判断の遅延ではなく、生き延びるための選択だった」

などと掘り下げてよい箇所です。



3. 数学の「反比例」の例えを使う時の注意点

なぜ気になる?

 抽象性が高いため、読者がふっと置いていかれるリスクあり。


提案

 具体例で補強すると読者がついてきやすくなります:


「効率を1.5倍にすればするほど、“ためらい”の余白が1/1.5になっていく」


「効率を最大限にする社会は、“人を待つ”という非効率の余地を最小にしていく」



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